本 「ホルモー六景」
万城目学さんの「鴨川ホルモー」の続編です。
「鴨川ホルモー」のメンバーもちらりちらりと出てきますが、続編というよりはサイドストーリーという感じですね。
タイトルにもあるように六つのお話が収められている連作集になります。
それぞれ独立したお話ですが、リンクするところもありましたね(もちろん「鴨川ホルモー」とも)。
どれも面白いですが、僕がなかでもお気に入りなのが「鴨川(小)ホルモー」と「丸の内サミット」ですね。
それぞれのタイトルも粋ですし。
万城目さんの作品は「鴨川ホルモー」と本作しかまだ読んだことがないのですが、「ホルモー」という非日常を題材にしながらも、それに関わる学生たちというのは至極普通のそこらへんにいる学生なんですよね。
本作に収められている話というのは恋愛話が多いのですが、そこで展開される恋愛事態は決して非日常ではなくて、普通の人の普通の恋愛。
状況がホルモーというものがある非日常というだけで、気持ちは特別なものではありません。
このあたりの設定の非日常性と、そこにいる登場人物の日常性みたいなもののバランスをとるのが、万城目学さんは絶妙なのだろうなと思いました。
原作は読んでいないですが、映画の「プリンセス・トヨトミ」もそんな感じでしたし。
万城目さんの作品は他のものも読んでみようかと思います。
「ホルモー六景」万城目学著 角川書店 文庫 ISBN978-4-04-393902-2
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» 「ホルモー六景」 万城目 学 [日々の書付]
「鴨川ホルモー」の続編、「ホルモー六景」を読みました。
今回は最初から面白かった。
プロローグで安倍君が高村君に「ホルモーに携わる人の数だけ、いろいろあるだろう。」と語っていた通り、今回は京大青龍会以外の大学の面々やOB、OGら「ホルモー」にかかわる人々の恋と友情の物語です。
長くなるので、気になったところだけ抜粋。
●第1景 鴨川(小)ホルモー
●第2景 ローマ風の休日
●第3景 もっちゃん
●第4景 同志社大学黄龍陣
ホルモーのベースとなる陰陽道には青龍、白虎、朱雀、玄武... [続きを読む]
受信: 2011年12月 6日 (火) 14時26分
» 『ホルモー六景』 [よくばりアンテナ]
ホルモー六景 (角川文庫)(2010/11/25)万城目 学商品詳細を見る
先日読んだ『鴨川ホルモー』があまりにも面白かったので、
こちらも早速買い求めてしまいました〜(*^_^*)
『鴨川ホルモー』が面白かった人...... [続きを読む]
受信: 2011年12月16日 (金) 22時08分
» ホルモー六景(万城目学) [Bookworm]
「鴨川ホルモー」の続編。というより、番外編かな。プロローグと短編6編。 [続きを読む]
受信: 2012年2月 6日 (月) 12時15分
» ホルモー六景 [香桑の読書室]
万城目学 2007 角川書店 反省すべきは、雑誌で読むんじゃなかったってことだ。あらかた知っている話というのは、食指が不活発になる。手に入れるまでは楽しみだったのに、読む段で盛り上がるに欠けたのは、全部ではないが一部を既読だったからである。 著者のデビュー作『鴨川ホルモー』のスピンアウト。前作を読んでから読むことをお勧めする。今度は恋の物語だ。それも6話の短編集。単なる続編集ではない。手変え品変... [続きを読む]
受信: 2012年2月15日 (水) 22時43分
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