「映画 けいおん!」 いつまでも続くふわふわ時間
軽音部のメンバーが過ごすゆるっとした放課後の時間を描いたアニメがついに映画化です。
映画だからといって特別なものになっているわけではなく、そのゆるゆるしたというか、ふわふわしたというか、そういった空気感はそのままでしたね。
この空気感こそが「けいおん!」そのものなのかもしれません。
作品の中で描かれるのは、「けいおん!」のラストを飾るということで、卒業旅行がメインで描かれていますが、そこでも特別なことがあるわけでもありません。
旅行先のロンドンで突然ライブをやったりすることになりますが、彼女たちにとっては、学祭でライブをやったりすることとそれほど変わりがありません。
というより、それこそ彼女たちにとっては、ロンドンでライブをするよりは、卒業式に友達の前で教室でライブをやったりとか、後輩のために部室で曲を歌うということのほうが断然重要なんですよね。
こういうバンドものやスポーツものの物語というのは、どうしてもてっぺんを狙っていくといったようなサクセスストーリーであったり、成長物語であったりするわけです。
そのほうがやはりお話は作りやすい。
けれども本作の登場人物たちは別にトップになりたいから音楽をやっているわけではなくて、友達と楽しく過ごす時間が嬉しいということで音楽をやっているんですよね。
実際はほとんどの人はてっぺんめざして何かをやっているわけではなくて、唯たちのような時間の過ごし方のほうが共感性があるのかもしれません(実際僕は部活をしていたけれど、本来の活動はほとんどせず、しゃべったり、トランプしてたりしてました)。
社会に出れば当然厳しい現実があるわけですが、高校生の頃というのはそういう現実もまだまだ先の話というところがあってゆるゆる、ふわふわと時間が過ぎていく感じなんですよね。
上に書いたように本作のロンドン卒業旅行でもなにか特別なことが起こるわけではありません。
また卒業式自体も描かれることはありません。
第二期のテレビシリーズで軸になっていたのは唯たち3年生と、ただ一人の後輩である梓の関係です。
映画もその流れを汲み、ふわふわとした空気の中で、一本それが軸になっています。
第二期の頃から、唯たちの卒業を前にして、梓は口には出さないけれど楽しかった時間がもう終わってしまうという寂しさを感じていました。
けれど本作で描かれているのは、唯たちが卒業してもそんな楽しい時間は終わらないということです。
唯も、澪も、律も、紬も、卒業してもずっと変わらない。
卒業したら、もう終わりというのではなく、楽しいから、かけがいのない仲間だから、ずっと一緒にいたいし、楽しい時間は終わらないと彼女たちは思っている。
だから梓と出会えたことを感謝したいし、だからこれからもずっと一緒にいるということを、伝えるメッセージに彼女に送った歌はなっていたと思います。
ほんとの日常には特別なことというのはそれほどあるわけではなく、けれどだからといって無味乾燥なものでもない。
日常には日常での楽しさ、嬉しさみたいなものがあるわけですよね。
あえて日常を描き続けたところに、よくある若者の成長物語にはない、リアル感(あるあるといった感じの)のようなものを感じたからこそ、本シリーズは当たったのかなと思いました。
第一期「けいおん!」の記事はこちら→
第二期「けいおん!!」の記事はこちら→
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先輩から、後輩へ…
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「けいおん!」の映画を観に行って来ました。京成ローザにて。
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軽音楽部の5人が過ごす放課後の部活ライフを描いた人気テレビアニメの
映画化になります。
けいおん!スゴい人気なんですね。
観客は、ほとんどが高校生でした。
鑑賞マナーは、若い人の方がいいし、臭くないし、熟年向きの映画よりも
快適です。
テレビアニメは、見た事なかったので、けいおん!初体験でした。
なんとも緩やかな、ほのぼのとした映画なんですね。
部活と言っても、部室で御菓子を食べながらのティータイムがメインでした。
ストーリーは、卒業を控えた4人が卒業旅行でロンドンに行く事に・・・
そこに、... [続きを読む]
受信: 2011年12月30日 (金) 23時15分
» 映画「けいおん!」 監督/山田 尚子 [西京極 紫の館]
【声の出演】
豊崎愛生(平沢唯)
日笠陽子(秋山澪)
佐藤聡美(田井中律)
寿美菜子(琴吹紬)
竹達彩奈(中野梓)
【ストーリー】
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受信: 2012年1月14日 (土) 21時05分
» 小説『Cross Ballade』 第7話 『再会』 [早乙女乱子とSPIRITのありふれた日常]
けいおん!×SchoolDaysクロスオーバー小説 第7弾。
やっと第7話までこぎつけた。
本格的に人間ドラマがやっと描ける。
CROSS EPOCHのように1対1を強調しつつ、複雑に人間模様を絡ませる、と以前書...... [続きを読む]
受信: 2012年1月15日 (日) 02時03分
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こどももすなるけいおんといふものを、おばさんもみんとてみるなり・・・ [続きを読む]
受信: 2012年1月15日 (日) 11時57分
» 映画 けいおん! [映画とライトノベルな日常自販機]
★★★★★“先輩と後輩の愛情に思わず涙”原作は4コマ漫画であることからか、テレビでも一貫したストーリーがあるわけではないのに、映画とは一体どんな展開になるのかと不安でもあり興味のあるところでした。 いろいろご都合主義的なところもありますが、唯たちの卒業にスポットをあてたストーリーは先輩と後輩の愛情をテーマにうまく組み立てられているなと感じました。 テレビでお馴染みのとぼけたキャラクターの唯、照れ屋でトラウマを抱えやすい澪、元気いっぱいにおふざけに走る律、お嬢様なのにどこか天然な紬、そして生真面目な梓... [続きを読む]
受信: 2012年3月12日 (月) 12時19分
» 12-032「映画 けいおん!」(日本) [CINECHANが観た映画について]
またお茶できるかな?
桜が丘高校の軽音部。卒業を控えた唯、澪、律、紬はクラスメイトたちに触発され、自分たちも卒業旅行に行くことに。後輩の梓も加わり、様々な候補地の中から最終的にロンドンに決定する。
旅行の準備を進める5人は、それぞれにロンドンへの期待をふくらませていくが。(「allcinema」より)... [続きを読む]
受信: 2012年4月 3日 (火) 01時21分
» 映画けいおん! [ぶっちゃけ…独り言?]
7.5点 (10点満点。5点で普通。6点以上なら満足って感じです。)
ぶっちゃけですねぇ、そこまで、そ〜こ〜ま〜で〜は期待してなかったんですよね〜。
いや、まぁ、それなりに楽しみにはしてたんですよ。
してたんですけどぁ〜、果たして”映画”としてどーなんだろーとか...... [続きを読む]
受信: 2013年3月24日 (日) 21時49分
» 映画『けいおん』(お薦め度★★) [erabu]
ゆる過ぎです。 社会現象を巻き起こしたアニメが映画になったという話題性だけで観ま [続きを読む]
受信: 2013年5月 3日 (金) 08時33分
» アニメ『けいおん!』考・その1 [徳丸無明のブログ]
『けいおん!』は、とある女子高を舞台とした、軽音部員達の何気ない日常を描いた作品だ。
小生は、自身の人生の中で、このような高校生活を送ることができなかったので、代理で体験する形で作品世界にハマり、何度も繰り返し鑑賞させてもらった。
で、繰り返し見ているう...... [続きを読む]
受信: 2017年10月31日 (火) 02時39分
» アニメ『けいおん!』考・その2 [徳丸無明のブログ]
梓が先輩達に怒りを爆発させる場面がある。遊んでばかりいて、練習を真面目にしない、という態度に対してだ。
ひと悶着あった末に、遊んでばかりいる4人が、いざセッションとなると、素晴らしい演奏をする、ということに梓は気付く。で、ダラダラしたり、お茶飲んだりす...... [続きを読む]
受信: 2017年10月31日 (火) 02時39分
コメント
sakuraiさん、こんばんは!
確かに最近の若い子はちょっとほにゃほにゃしてますかね。
会社に入ってくる子もそんな感じあります。
ただ自分も高校生の頃というのは、それほどガツガツとしてはいなかったかなと。
将来のことというのはまだ現実味はなくて、そのときそのときが大事な感じはありましたね。
この作品はいわゆるドラマツルギー的なものはそれほど強く出さずに、空気感だけで作っているという、ある意味意欲的な作品かなと思ったりします。
投稿: はらやん | 2012年1月15日 (日) 17時24分
30年近く、高校生とともに過ごしてきて、今風のよく言えば鷹揚としている、悪く言えば、覇気がない・・・いわゆるゆとりの連中のそのままってな感じでしたわ。
あんまり覇気がなかったり、どう考えても常識みたいなもんを知らないくて、私としては時々嘆くのでうすが、「ゆとり教育の賜物です!」と開き直られます。
この世界はこの世界で、いいし、当たったのもわかるんですが、あんまりほにゃほにゃしてて、妙な居心地の悪さも感じましたわ。
猛烈時代を生きてきた弊害ですかね。。
アタシは、平気でロンドンに旅行に行く、いくらかかるのか問題にもしないのか・・とそっちに違和感感じてたまんなかったんですが、そんなもんなんすかね。
投稿: sakurai | 2012年1月15日 (日) 11時57分
ノラネコさん、こんばんは!
原作は大学生編ですか〜。
どんな感じになるんでしょうね。
プロはない感じがしますね。
彼女たちは高みを目指すというよりは、ずっと日常のままでいることのほうがいいと言いそうです。
そういうところはのだめにも言えるなぁ。
あちらは無理矢理プロの世界に連れて行かれましたが。
投稿: はらやん | 2011年12月17日 (土) 20時57分
テレビを何度か観た程度で、全然思いれ無かったのですが、なぜこんなに人気があるのか、何となくわかりました。
私は殺伐とした男子高だったので、この緩い青春にはちょっと憧れます(笑
原作では大学編もはじまるみたいですね。そのうちこのノリのままプロになったりするのかな。
投稿: ノラネコ | 2011年12月16日 (金) 16時45分
にゃむばななさん、こんばんは!
第二期から本作は梓が影の主役というところもありましたよね。
彼女の目線で、楽しい時間には終わりがくるのだという寂しさのようなものをそこはかと感じました。
でもそういうのをふっ飛ばしてしまうような4人の先輩の屈託のなさが、この作品の魅力でしょう。
「あずキャット」って・・・、そこだけ英語にしたのね、唯らしい・・・。
投稿: はらやん | 2011年12月 6日 (火) 21時30分
もうあずにゃんがかわいくてかわいくて仕方ありませんでした。
こんなにも先輩たちから愛されるなんて幸せ者ですよ。
それにしても「あずキャットいて♪」は面白かったですわ~。
是非来年の流行語大賞に!
投稿: にゃむばなな | 2011年12月 5日 (月) 14時14分