「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX」 まさにメガ盛り
「W&ディケイド」、「オーズ&W」と続き、冬の定番となってきている仮面ライダーのMOVIE大戦、今年は「フォーゼ&オーズ」です。
「ディケイド」以前の平成仮面ライダーはそれぞれが独立した世界観であって、それぞれの作品に登場するライダーが並び立つことはないと考えられていましたが、「ディケイド」がその戒めを解き放ちました。
「W&ディケイド」はディケイドがライダーの世界を渡ることができるという特殊能力ゆえできた特別な作品だと思いましたが、昨年の「オーズ&W」、今年の「フォーゼ&オーズ」ときて定番化してきましたよね。
1作目は「ディケイド」と「W」の物語が別々に進み、最後の第3部で二つの物語が合流するという「ディケイド」ならではの仕掛けがありました。
昨年の「オーズ&W」もその構成を踏襲しますが、第1部、第2部の物語に品質差(「W」は良く、「オーズ」は良くない)があり、そしてそれを合流させる第3部が無理矢理感がありました。
違う世界のライダーが並び立つっていうことにも違和感がありましたし。
それで、今年の「フォーゼ&オーズ」ですが、ライダーが並び立つことに違和感なくなってます。
これは観る側の慣れというのもあるんでしょうね。
構成も前作までの3部構成ではなく、5部構成になっています。
第1部がアバン、第2部がオーズ編、つなぎの第3部があって、第4部がフォーゼ編、そして第5部がオーズとフォーゼが合流するクライマックス編といった形です。
5部構成というのは聞いていて複雑になるのではと思いましたし、また世界観・テイストが大きく違うオーズとフォーゼが融合できるのか(「オーズ&W」のようにうまくいかないかも)という心配もありました。
しかし第1部と第3部がうまく機能していて、オーズ編とフォーゼ編をうまくまとめあげることができていると思いました。
違うストーリーが合流するというというよりは、一つの物語のように構成されていたのでオーズとフォーゼが並び立っても違和感がなかったのでしょうか。
監督は「W」の「運命のガイアメモリ」でライダー映画の新境地を開き、また「フォーゼ」のメインでもある坂本浩一監督。
「運命のガイアメモリ」もそうですし、「仮面ライダーアクセル」もそうでしたが、坂本監督の作品は動き始めたら最後まで物語が止まることがありません。
まさにノンストップという感じがします。
アクション俳優出身であり、本作でアクション監督も兼任しているだけあって、相変わらずライダーアクションは見せてくれます。
それも盛りだくさんというか、メガ盛りというか、溢れ出してます。
伝説の7人ライダー(1号からストロンガーまで)のアクションも坂本監督が得意のワイヤーアクションを駆使して現代風にアレンジされています。
アレンジされていますが、オリジナルへのリスペクトがあるというか、リスペクト以上に坂本監督のライダー愛を感じます。
V3の反転キックはオリジナルはカット割りで見せていますが、本作はそれをワイヤーをつかってV3を空中で反転させて1カットで撮ってます。
XライダーのXキックも空中で大車輪してるし!
カッコよすぎます。
「W」以降の平成仮面ライダー第二期のライダーはフォームチェンジが多種類・複雑化してますが、それも惜しみなく見せてれてます。
こういう盛りだくさんの作品の場合はカットされがちなんですが、できうるかぎり全フォーム見せるぞという気合いを感じます。
Wはサイクロンジョーカー、ヒートメタル、ルナトリガーの主要3フォームはマキシマムドライブ付きで見せてくれますし、オーズはタトバ、ガタキリバ、ラトラーター、サゴーゾ、シャウタ、タジャドルの主要コンボとその必殺技を披露してくれます。
フォーゼも全スイッチとはいかなかったですが、10くらいのスイッチは使ってましたよね。
こういうフォームチェンジは見せていくと無理矢理感がでたり、冗長になってしまうかというところなんですが、坂本監督はアクションの見せ方が小気味好くテンポがいいので、それほど長い時間を使わずに十分満足感が得られるようにしてくれるので気持ちがいいですよね。
ここはやはりアクションをやってきた監督さんだからなんでしょうね。
アクション出身の監督はエモーショナルな部分が弱かったりするものですが、坂本監督はそういうところがありません。
しっかりエモーショナルなドラマを見せてくれました。
それではドラマ部分についてオーズ編、フォーゼ編と見ていきましょう。
オーズ編については、観る前の一番の心配はアンクの再登場についてでした。
テレビの最終回はあのような別れになってしまっていますから、普通で考えればアンクが登場することはできないわけです。
でもアンクがいないオーズはオーズじゃないわけで。
そこをどう解決したか、なんですが・・・。
さすが脚本の小林靖子さん、どう解決したかは書きませんが、見事にやってのけてます。
それどころか寂しさも残る結末であった「オーズ」の物語に「明日への希望」も与えてくれます。
このあたりは見事ですね。
坂本監督はテレビの「オーズ」は担当していなかったので、本作が初めての「オーズ」の演出になります。
監督するにあたり一気見したということですので、「オーズ」のキャタクターの演出も違和感なかったです。
映司は映司らしく、アンクはアンクらしく、キャラクターが出ていましたよね。
オーズ編の見所は映司役の渡辺秀さん、アンク役の三浦涼介さんの素面でのアクションでしょう。
二人ともアクション俳優顔負けくらいに動いてます。
クスクシエのシーンは吹き替えなしだったとか。
特に渡辺秀さんはすごい!
流れるように回し蹴りとか決めてますし。
JAEの人かと思っちゃいます。
あ、あと里中も相変わらず強いですね(笑)。
後藤ちゃんと伊達さんも相変わらずで。
フォーゼ編は弦太朗の初恋物語です。
仮面ライダーで学園青春ドラマという意外なところをついてきた「フォーゼ」ですが、現在進行中のテレビもこれがなかなかにいいんです。
仮面ライダー部の連中の友情っていうのが、けっこうジンジンきちゃうんですよね。
テレビも仮面ライダー部の7人が集まるまでの10話はけっこうホロリとくるようなところがありました。
テレビシリーズは、主人公の弦太朗が一癖二癖ある同級生を熱いハートで支え、それによって彼らは心を開き仲間となっていくという展開でした。
映画では悩み悲しむ弦太朗を支えるのが、逆に仮面ライダー部の仲間たちなんですよね。
賢吾の「君が泣く時間くらいはかせぐことはできる!」っていうのには、ジーンときました。
こういう青春ストライクなセリフには弱いのです。
弦太朗が変身する時にライダー部のみんなが「スリー、ツー、ワン!」とカウントダウンするところもジ、ジーン・・・。
フォーゼ編はエモーショナルなところをしっかりと出してくれていた気がします。
弦太朗の初恋の相手となる撫子役の真野恵里菜さん、かわいいですね・・・。
その他、気になったところを散文的に。
「W」の登場を嬉しかったですね。
やはり「W」好きなので。
翔太郎と弦太朗が会うところがけっこう面白かったです。
基本的に翔太郎と弦太朗って同じタイプなんですよね、友情に厚くて正義感が強いところなどは。
翔太郎はクールを気取っているけど、弦太朗はそのまま熱い気持ちを外に出すというところが違うかな。
翔太郎が弦太朗に対して、先輩を気取っているところなんかはほんの少しのシーンなんですけれど、翔太郎らしさがでてました。
仮面ライダージョーカーの登場も意外なサプライズでした。
出てくると思わなかったんで。
カッコいいよなぁ、ジョーカー。
そういえば坂本監督って、アクションのクライマックスで主題歌を流すんですよね。
これは「運命のガイアメモリ」もそうですし、「フォーゼ」の演出回もそうなんですけれど。
盛り上がるところに主題歌っていうのは直球勝負で、ヒーロー好きとしては好きな演出です。
あと今回の敵になるのは「W」でも登場した財団X。
財団Xっていう設定は使い勝手がいいですよね。
なんでもこれで繋ぐことができます。
昭和ライダーの大首領のようなものでしょうか。
財団X自体がなくなったわけではないですから、今後もMOVIE大戦では重宝しそうです。
あと、弦太朗が「全ライダーと友達になるっス!」と言っていたときに、オフでアマゾンが「トモダチ・・・」とリアクションしていたところは昭和ライダーで育った世代的にはツボでした(笑)。
ああ、なんかとりとめがなくなってきました。
それだけいろんな要素が入っていた映画だということでごカンベンください。
まさにメガ盛り!
そうそう最後にスーパー戦隊の予告が流れてました。
事前に情報が出ていた「ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン」は初めて聞いたときは驚きましたが、これは織り込み済み。
しかし4月に「スーパー戦隊VS仮面ライダー」をやるということです。
そうきたか・・・。
レジェンド大戦VSライダー大戦ね。
すごいことになりそうだ。
昨年のMOVIE大戦「仮面ライダー×仮面ライダーオーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE」の記事はこちら→
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コメント
メビウスさん、こんばんは!
やはり坂本監督いいですよね。
ほんとに勢いがあるというか、最初から最後までずっとテンション高かったです!
おっしゃるように去年は「オーズ編」が「うーん???」っていう微妙な感じでしたが、今年は両方ともおもしろかったです。
5部構成も成功していましたよね。
翔太郎と弦太朗て熱いハートの持ち主で似た者同士ですよね。
ほんと先輩後輩って感じでこれも良かったなぁ。
弦太朗って「先輩!先輩!」って翔太郎になつきそうですよね。
投稿: はらやん | 2011年12月11日 (日) 23時19分
はらやんさんこんばんわ♪ご無沙汰しております。
いやはや、今回のMOVIE大戦は凄かったですよねぇ。正にタイトルに恥じないメガ盛りMAX♪やはり坂本監督になると面白くなる事まっちがいない!改めてそう思わせてくれました。
今までのイメージではありますけど、個人的にMOVIE大戦ってコラボしたどっちかのライダーのストーリーがイマイチな印象になってはいたのですが、今回のオーズはアンクとの絆、そしてフォーゼはライダー部の友情に自分も感動しちゃいましたねぇ。フォーゼパートでライダー部の皆が『スリー!ツー!ワン!宇宙キター!!』ってシーンは自分だけじゃなく、周りの子供たちも凄いテンションでしたよ(笑
でも本来の3部構成でも尺の関係で忙しい感じだったのに、5部構成って・・・なんて思ってましたが、全然不満なかったです。むしろダブルの登場で自分も興奮しっぱなしで^^;翔太郎と弦太郎の『オイッス!オイッス!!』のやり取りは爆笑でございましたw
投稿: メビウス | 2011年12月11日 (日) 22時23分