2011年を振り返って<映画>
今年はほんとに色々ありました。
まずは3月の震災がやはり大きかったです。
日本人のものの考え方にも大きな影響を与えたと思います。
当然のことながら、自分の映画を観る時の見方にも影響はあったと思います。
震災以外でも、映画を観ている場合じゃないというようなことがいくつもありまして、今年は折り返しの時点で観賞本数が40本程度という状況でした。
後半は巻きを入れて劇場に行くようにしましたので、結果的には劇場観賞本数は107本で、去年の109本とほぼ同数となりました。
さて、2011年のベスト10を発表してみましょう。
1.「ツリー・オブ・ライフ」
2.「ブラック・スワン」
3.「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」
4.「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」
5.「アリス・クリードの失踪」
6.「ミッション:8ミニッツ」
7.「世界侵略:ロサンゼルス決戦」
8.「SOMEWHERE」
9.「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」
10.「恋とニュースのつくり方」
毎年どちらかというとけっこうジャンルが偏りがちなのですが、今年は上げてみると見事なほどにジャンルも規模もバラバラしています。
特徴としてはわかりやすくてストレートなハリウッド系の作品が入っていないことでしょうか。
あと邦画が1作品しか入っていないですね。
去年は「告白」「悪人」と印象深い作品がありましたが、今年は邦画はこれは!と思えるものがなかったような気がします。
1位は「ツリー・オブ・ライフ」です。
これをピックアップする方、少ないでしょうね。
公開時も「わけわからない」という意見の方も多かったですから。
僕自身は記事のときも書いたのですが、この作品は理解するというよりは感じる作品であり、なんだか知らないけれど、人、生命、宇宙といったものが伝わってくるという感じを受けました。
僕は映画を観ている時、けっこう分析しながら観ているクセがあるのですが、こちらの作品はそういう感じではなく、映像を見、音楽を聞いていて、わけもわからず涙がこぼれるという経験をしたんですよね。
それがあまりないことだったので1位にしました。
たぶん震災後という今年は生命とはなんなのかというのを、いつも考えているのかもしれません。
2位は「ブラック・スワン」。
この作品は他でも上げている方は多いかと思います。
こちらは1位にしようかどうか迷ったぐらいで、出来はすばらしく良かったと思います。
主人公が自分で自分を追い込んでいき、そして次第に変容していく心理描写が鬼気迫るような感じがありました。
その描写は生々しくもあり、幻想的でもありました。
主演のナタリー・ポートマンもまさに体当たりの演技と言っていいほどすばらしかったですね。
3位は「タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密」です。
これは今年のベスト10の中では唯一ストレートなハリウッド系のエンターテイメントです。
やはりこれはエモーション・キャプチャーという手法を手にしたスピルバーグがイキイキと自分の想像力を映像にしているのが、やはり観ていて楽しかったわけです。
スピルバーグファンとしては、久しぶりにこういうタイプの映画を撮ってくれて嬉しくもありました。
思えば今年は「SUPER 8」や「宇宙人ポール」等スピルバーグLOVEな映画もありましたよね。
そういう意味でスピルバーグイヤーであったのかもしれません。
4位は「聯合艦隊司令長官 山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―」。
今年のベスト10の中で唯一の邦画です。
やはりこれは太平洋戦争の映画でありながらも、震災後の現代の日本を観ているような気持ちになり、その中で今の日本が持っている課題というものを映し出してくれたというのが大きいです。
国のリーダーだけでなく、自分たちも将来・未来のことを流されずに自分で考えることが必要であるということを改めて確認させてくれました。
今年作る意味があった映画であったと思います。
5位は「アリス・クリードの失踪」です。
これはもうミステリーとして完成度が高いです。
脚本がもう完璧です。
細かく語るとネタバレになるので、ぜひ観てください。
監督のJ・ブレイクソンはデビュー作であるということですので、なおさら驚きます。
ダニー・ボイル、クリストファー・ノーランなど活躍しているイギリス人監督に続いてほしいですね。
6位は「ミッション:8ミニッツ」。
こちらもイギリス人の監督ダンカン・ジョーンズの作品。
最近イギリスの若手いいですよね。
「月に囚われた男」も良かったですけれど、この作品もいい。
SFの設定を使いながら、人間というものを深く掘り下げていくというのは2作品に共通しています。
ラストがハッピーエンドで後味がよいのもよろしい。
7位は「世界侵略:ロサンゼルス決戦」です。
震災により公開が延期された作品です。
去年から今年にかけては異星人侵略の映画が多くありましたが、その中でも抜きん出ていいです。
あえてミニマムな視点で異星人侵略を描き、あまたあるこのジャンルの中でもリアリティを高めた作品に仕上がってます。
あとやはり個人的には、現場でこのように命をかける海兵隊の姿が、震災時にやはり命をかけた現場の人の姿にかぶったというのがありますね。
8位は「SOMEWHERE」。
これも上げる方は少ないかもしれないです。
驚くほどに何も起こらない映画なのですが、けれどその空気感が愛おしかったんですよね。
こちらも考えるよりは感じる映画かもしれません。
それとなんといってもエル・ファニング!
「SUPER 8」のエル・ファニングも良かったですが、僕はこちらのほうのエル・ファニングが好き。
9位は「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」です。
シリーズものをランクインさせることはあまりないのですけれども、やはり10年にも渡る大シリーズの大団円にふさわしかったと思います。
えてして長いシリーズものは後になればなるほど魅力が薄れるものですが、本作はイエーツ監督になってからはどんどん上り調子になったかと思います(話がどんどん暗くなるというのもありますが)。
一時期乱立したファンタジー映画ですが、そのほとんどがシリーズ化を標榜しながらも落伍していく中、本家本元が最後まで走りきったのは評価に値すると思います。
10位は「恋とニュースのつくり方」。
これは誰もあげないんじゃないかなぁ。
でも僕はこの作品、好きなんですよ。
観ていて元気が出るというか、前向き感があっていいなと。
観たのは震災前というのはあるんですが、今観ても元気がもらえそうな気がします。
こうやって振り返ってみるとやはり震災の影響が自分の中にもあります。
さてこちらも恒例のワースト5です。
順位はつけてません。
・「グリーン・ホーネット」
・「僕が結婚を決めたワケ」
・「スカイライン -征服」
・「小川の辺」
・「グリーン・ランタン」
一見あまり共通性がないという感じがありますが、それぞれのジャンルの中であまり新しさを出せていないというか、工夫がなさ過ぎるところが共通点です。
「グリーン・ホーネット」「グリーン・ランタン」は最近大きな流れとしてあるコミックの映画化なのですが、一連のマーベルの作品がヒーローものでもそれぞれに人を掘り下げる工夫をしているのですが、上げた作品はそれがあまりありません。
「スカイライン -征服-」と「世界侵略:ロサンゼルス決戦」も同じような題材を扱っていますが、出来は天と地ほどの差があります。
「スカイライン -征服-」は人を描けず映像のみに注力してしまったのが敗因でしょう。
「小川の辺」はこれも量産されている藤沢作品群の二匹目(何匹目)の泥鰌に見えました。
あたったジャンルの中に参入したい気持ちはわかりますが、やはり工夫がなければダメということでしょう。
来年はどんないい作品に出会えますかねー。
とりあえず期待したいのは「ダークナイト」の続編です!
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