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2011年12月23日 (金)

本 「三国志 -演義から正史、そして史実へ-」

「三国志」という作品は日本人は好きですよね。
かくいう自分もそうでして。
僕が「三国志」というものに触れたのは、NHKで放映された「人形劇 三国志」が初めてでした。
これはご存知の方も多いでしょうが、川本喜八郎さん作の人形たちが「三国志」の物語を演じるものでしたが、これがもう面白くて、それですっかり「三国志」という物語に魅了されました。
それから「三国志演義」を日本語訳版を読み、吉川英治の「三国志」を読みました。
その間にコーエーの「三國志」のテレビゲームもやったりしましたし。
そうそう、最後に蜀が勝ってしまうという「反三国志」という小説も読みましたね。
最近ではジョン・ウー監督の「レッド・クリフ」という映画も良かったですよね。
といように、「三国志」にはやはり惹かれてしまうのです。
で今回読んでみたのが「三国志 -演義から正史、そして史実へ-」という新書です。
世間で読まれている「三国志」というのは、基本的には「三国志演義」というものです。
これは歴史を元にした小説というようなもので、当然のことながら史実とは違いフィクションの要素が多く含まれています。
日本でも織田信長の小説と言っても史実とは違ういろいろな解釈をした作品が多くあるということを想像すればわかりやすいかと思います。
そして「正史」といわれるものが、西晋の陳寿が書いた「三国志」になります。
「正史」というのは歴史書なのですが、基本的にはその国家がその正統性を裏付けるために作っているものなので、その国にとっていいことしか書いていないことが多いので、歴史書だといってもそれがすべて事実であるかというと疑わしいわけです。
西晋は三国鼎立の中から勝ち残った曹操が打ち立てた魏から禅譲をうけたわけですので、魏の正統性を基本におきます。
ただ本著によれば著者の陳寿の先祖は蜀の出らしく、そこはかとなく蜀への同情のようなものも入っていると言います。
本著はかなりフィクションの多い「演義」、偏向性のある「正史」とひも解きながら、その他の書物などから実際にあったであろう史実を解き明かしていこうという主旨の本です。
例えば、映画「レッド・クリフ」で描かれる「赤壁の戦い」、これは諸葛孔明と周瑜という二大軍師に「演義」などの小説ではスポットが当たりますが、二人の引き立て役っぽい魯粛がもっと重要な役割を担っていたとか。
魯粛も孔明とは別に天下三分の計を考えていたかもしれないと解かれています。
小説というのは物語をわかりやすくするために、事実と違うことを書くのは当然なのですが、なるほどいろいろ調べると実際の出来事はこうだったのかと発見があるものなのですね。
「三国志」というのは様々な人物が登場し、それぞれがまた魅力的だったりするので、いろいろと本や映画なども読みたくなる奥深い世界です。
現代に生きる我々が「三国志演義」を読むとそこに書いてあることをなんとなく史実っぽく思えたり、そこのキャラクターイメージ通りに実際の人物を想像してしまいます。
今、現代にある歴史小説が1000年生き残って、その時にそれを読んだ人もそこに書かれていることを史実っぽく感じてしまうのかなとも思ったりすると、不思議な気もしますね。

「三国志 -演義から正史、そして史実へ-」渡邉義浩著 中央公論 新書 ISBN978-4-12-102099-4

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