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2011年11月13日 (日)

本 「Wドライヴ 院」

「コズミック」「ジョーカー」の清涼院流水さんの作品

清涼院さんも、今年でもうデビュー15周年なんですね。
「コズミック」と「ジョーカー」という作品は衝撃的でありました。
そもそも推理小説という枠組みととらえるべきかどうか・・・。
発表されたときは、いろいろと論議があったようですね。
個人的には「あり」だと思います。
厳密に推理小説かと言われるとそうではないかもしれないと思いますが、小説としておもしろければ「あり」なのです。
そもそも清涼院さん自体がそのようなジャンル分けを無意味だと思っているような気がしますし。
推理小説というものがある枠組みの中で論理を組み立てていくということが前提であるとするならば、「コズミック」や「ジョーカー」は推理小説ではないでしょう。
ただそういう枠組みを破壊してしまうようなパワーを「コズミック」「ジョーカー」を持っていたわけでだからこそ論議があったのでしょうね。
とはいえ、最近はあまり作品を発表されていないような感じもします。
ただの一発もののキワモノとならないためにも、清涼院さんらしい突飛な作品を発表してもらいたい者です。

前段が長くなりましたが、こちらの作品は古い作品で中編が2つ組合わさったものとなっています。
それらの2作品にも清涼院さんらしいギミック(装丁を含め)がされていますが、ま、あまり個人的にはこういうギミックは好みません。
じゃ、おもしろくないかというと、おもしろいです。
もうこれは推理小説ではないですけれどね。
でもおもしろい。
清涼院さんらしい不条理な出来事が起こりそれが展開していきます。
その中で、人の奥深くにあるドロドロっとしたものを描いていくのが、この方の作風。
キワモノっぽい感じがしますが(たぶんキワモノなんですけれど)、だからといって食わず嫌いももったいない。
一度手に取って読んでみてはいかがでしょうか(でもやっぱり受け入れられない人はいるかと思いますが)。

「Wドライヴ 院」清涼院流水著 講談社 文庫 ISBN4-06-273240-8

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