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2011年11月30日 (水)

「江~姫たちの戦国~」 女の道は一本道

毎回、NHKの大河ドラマのレビューの時に書くのですが、僕個人的には大河ドラマ当たり年とはずれ年というのが、交互にきているのですね。
昨年の「龍馬伝」が大当たりであったので、今年は順番から言えばはずれ年。
ですが本作は、脚本家田渕久美子さんを始め、こちらも当たり年であった「篤姫」のスタッフが参加しているということでジンクスがはずれるかもという期待もありました。
さて、最終回まで観終わっての感想ですが、う〜ん、はずれ、かな。
やはり前半の印象が悪すぎました。
本作は義父である柴田勝家が滅亡し浅井三姉妹が大坂の秀吉に引き取られるところで前半と後半に分けられると思います。
前半は江の少女時代を描いているわけですが、この少女の江がやたら喧しい。
江を演じた上野樹里さんは「のだめカンタービレ」ののだめのイメージが強いですが、同じようなイメージで江の少女時代が演出されてしまったような気がしました。
上野樹里さん=のだめの印象強いですが、上野さんの演技はけっこう幅が広いと思うので、この喧しい江はのだめイメージにひきづられた演出によるものかなと。
後半の江が大人になっていこうは落ち着いた佇まいになっているので、上野さん由来ではないと思います。
また前半は浅井三姉妹が揃っているので、三姉妹という設定によるドラマ性というのも出し難かったという感じでした。
前半は後半に向けた歴史のおさらい、前振りのような感じがしました。
後半、浅井三姉妹それぞれの運命が分かれていくようになってからはドラマ性が増し、おもしろくなってきたと思います。
歴史のうねりと合わせるように浅井三姉妹の運命も翻弄されていく。
なかでも茶々(宮沢りえさん)が、秀吉を恨みながらも惹かれていくところは見応えありました。
三姉妹の中ではコメディリリーフ的な初も少女時代は滑り気味でしたが、姉と妹を繋ぐという役割をなそうとするあたりはなかなかの存在感があったと思います。
しかし、後半は三姉妹の波乱の運命を描く中で盛り上がったとは思いますが、やはり前半のマイナス点をとりもどすまでにはいかずといったところのような感じがします。

「篤姫」と「江~姫たちの戦国~」は女性を主人公にした時代劇ですが、同じテーマがあったと思います。
「篤姫」で篤姫の乳母の言葉で「女の道は一本道」というのがありました。
現代でこそ女性は自分の将来や道を自分で選べるような時代になりましたが、それこそ戦前などはまだまだ女性は結婚相手を自由に選べるという時代ではなかったと思います。
ましてや戦国時代、江戸時代と言ったら、女性の結婚相手は政治や家の論理で決められしまうわけです。
運命は決められてしまうものなのですが、篤姫にしても、江にしても、その運命を受け入れながらも、覚悟をしてその中で自分らしくたくましく生きていくということを貫いています。
それは先の「女の道は一本道」という言葉につながるわけですが、運命は一本道に決められている、しかしその道を流されて進んでいくのか、自分の足で前に前に進んでいくかというのは、違うということなんですね。
女性に限らず、男性も「ままならぬ」ことは現代でもあります。
運命と言ってしまい腐ることもできますが、それを受け入れつつもその中で懸命に生きるという選択肢もあるわけです。
本作での江も運命に翻弄される中で、しっかりと自分の感じるまま、考えるままに生きたということは豊かな人生であったのではないかと思います。

さて来年は松山ケンイチさん主演の「平清盛」ですね。
これはちょっと期待しています。
時代的にもあまり取り上げられていない時代ですし、平清盛という公家社会から武士社会への変化の先鞭をつけた人物がどのように生きたか、その描き方に注目したいと思います。

10年NHK大河ドラマ「龍馬伝」の記事はこちら→

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コメント

ほし★ママさん、こんばんは!

そうですよね〜、前半はやはりいただけませんでした。
役者さんがというよりは、演出でしょうね。
>「江」も「篤姫」ほど魅力的には描かれていなかった気がします。
これもその通りで、「篤姫」はこれは宮﨑あおいさんの力によるところも大きかったかもしれません。
来年は大仕掛けそうな感じもあるので、楽しみです。
一年おきの法則だとアタリの年のはずなので!

投稿: はらやん | 2011年12月 4日 (日) 22時48分

こんばんは!
時代がどの場面をとっても面白いので、最後まで観ましたが
私も、前半の三姉妹、特に年齢に無理があって
どうにも、はまれませんでした。
「江」も「篤姫」ほど魅力的には描かれていなかった気がします。
一年おきに当たり~確かにそうですね。
何だかんだ言いながらも豪華キャスト、次作にも大いに期待しています。

投稿: ほし★ママ | 2011年12月 4日 (日) 21時19分

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