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2011年11月12日 (土)

本 「虚言少年」

京極夏彦さんというと「京極堂」シリーズや「巷説百物語」シリーズなどの作品で、妖怪というものを通じて人や社会の歪みを描いています。
けれどもそれらとはまったく違う方向性で、ギャグ小説というような作品も書いています。
「どすこい」や「南極(人)」などがそういう作品なのですが、本作「虚言少年」もそのようなギャグ小説群に入れられるかと思います。
ユーモア小説というジャンルがありますが、京極さんのギャグ小説というのはそういうのともちょっと違う感じがします。
ユーモア小説というのは四コママンガのような感じで、起承転結の最後の転結でひっくり返してその落差で笑わせるというようなところがあるかと思います。
構成で読ませるという感じでしょうか。
京極さんのギャグ小説というのは、そういう構成で笑わせるというよりは、ほんとに話の中に織り込まれている一発ギャグで笑わせる感じのイメージなんですよね。
イメージ的には赤塚不二夫さんのマンガのような感じとでも言いましょうか。
当然、短編それぞれで構成で笑わせるところもあるのですが、どちらかというとそれは話に決着をつけるためという感じで、狙いは織り込まれるギャグのほうではないかと。
だいたい京極さんのギャグ小説は一風変わった登場人物が出てきていて、それらの登場人物の掛け合いで笑わせてくれるんですよね。
本作ではケンゴ、ホマレ、キョーノという三人組の小学生がメインの登場人物なのですが、それぞれが変わった価値観で子供社会というのをみていてそれらの掛け合いがおもしろい。
京極さんのギャグ小説は、文章は理性的に書かれているのですが、その内容はえらくくだらないという落差がありそのあたりもおかしいという感じがありますね。
ギャグマンガというのも笑える笑えないというのはけっこう人によるところがあるかと思いますが、たぶん京極さんのギャグ小説というのもそうかもしれません。
僕の場合は京極さんのギャグ小説というのは波長が合うらしくいつも笑わせていただいております。
電車の中で読んだときは笑いをこらえるのがきつかったですし、家で珈琲を飲みながら読んでいたところは突然展開されたギャグに文字通り吹き出してしまいました。
おかげでそのページは珈琲色に染まってしまいました。

「虚言少年」京極夏彦著 集英社 ハードカバー ISBN978-4-08-771407-4

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