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2011年11月 5日 (土)

本 「戦国仏教 -中世社会と日蓮宗-」

タイトルから戦国武将の間に日蓮宗などの鎌倉仏教が広まっていくという内容かなと思ったのですが、ちょっと違いましたね。
仏教はそもそもは奈良時代に日本に伝わり、当時は国の安泰を願うという役割を持たされていました。
それから平安時代あたりまでは寺院などの役割も言わば国家のために祈るということであったのですが、鎌倉期法然、親鸞の登場により仏教が大衆に広がり始めます。
法然、親鸞は念仏を唱えるだけで、救われることができるととき、民衆の支持が広がっていくわけです。
こちらの本でメインで取り上げられている日蓮宗は、創始は名前の通り日蓮。
日蓮は厳格な法華経至上主義で他教を避難します。
また日蓮は浄土宗が念仏を唱えるだけで来世の安寧を約束するのと異なり、現世での利益に目を向けます。
本著によれば鎌倉末期から室町、戦国時代というのは気候は寒冷期に突入し、飢饉などが頻発した時代だということです。
そのような状況の中で、民衆が目の前にある苦難から救われたいという気持ちで日蓮の教えに惹かれていったということが書かれています。
またその時期は民衆の間でも富裕層が登場し、また武士も力をもってきている時代であり、それまでの権力側である貴族以外にも、自分たちを庇護してもらう心理的な後ろ盾を欲しくなっていた時代でもあります。
仏教側としてもそれら新興の力をいちはやく取り込む必要があったのでしょう。
そのような背景をもとに日蓮宗などは急激に民衆に浸透していくのです。
ただ日蓮の教えが広まっていくときには、他教や土着の民俗を取り入れていくことが必要であり、それによって日蓮宗も変容していきます。
同じ日蓮宗と言っても現在ではいろいろな宗派が分かれているのはそのためです。
日蓮宗が広がっていくときに、そもそもの日蓮の考えのベースにある法華経至上主義というのがしだいになくなっていくというのは、なんとも皮肉な気もします。

「戦国仏教 -中世社会と日蓮宗-」湯浅治久著 中央公論 新書 ISBN978-4-12-1-1983-7

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