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2011年10月15日 (土)

「電人ザボーガー」 B級テイストそのままリメイク

「『電人ザボーガー』 リメイク!」という話を聞いたのは、去年でしょうか。
紹介記事を読んで「おおっ!」と驚いたものの、「こんなマイナーな作品知ってる人いるのか?」とすぐに疑問が・・・。
知らない方のために解説を。
「電人ザボーガー」は1974年にテレビで放映されていたピー・プロダクション制作の特撮番組です。
主人公は秘密刑事の大門豊で、相棒ザボーガー(大門の弟の遺伝子を持っている)とともに、悪の組織シグマと戦うとお話です。
ザボーガーはバイクに変形することもできるロボットで、大門がヘルメットのマイクからの指示で戦います。
そもそもピー・プロダクション(略してピープロ)自体がマイナー・・・。
特撮を詳しくない方でも「ウルトラマン」は円谷プロダクション、「仮面ライダー」は東映というのは知っているとは思いますが、ピープロは知らないですよね。
ピープロ制作の特撮番組で他の有名なもので言うと「スペクトルマン」とか「怪傑ライオン丸」などがあげられます。
なに、これも知らない?ううむ・・・。
ちなみに僕は「電人ザボーガー」は当時小学生低学年でドンピシャ世代でありました。
とはいえ「ウルトラマン」や「仮面ライダー」のように何度も見直したわけではないからあまりに覚えていないのですよね。
覚えているのはロボットがバイクに変形するということくらいですかね。
ピープロの作品というのは、子供心にも円谷や東映と比べると、さらにマイナーっぽいというか、B級っぽい感じがしたのはなんとなく覚えていますね。
「電人ザボーガー」のリメイクは井口昇監督が担当。
世界的にマニアの間では超有名になっても、「片腕マシンガール」や「ロボゲイシャ」などB級道をひた走っている監督ですので、「ザボーガー」とのシンクロ率も高そう。

ここ数年、アメリカでも日本でも昔のヒーローもののリメイクというのが多く作られています。
子供の頃にそれらを観て育った世代が、親になったり、また制作者になったりというのが影響しているのでしょうね。
それらのリメイクものは、そのままというよりは、ストーリーもデザインも現代風な解釈をされ、大人の観賞にも堪えられるようにすることが多いですよね。
本作についていうと、テイスト自体はオリジナルの雰囲気を多く残しています。
このあたりはさすが井口監督で、あえて昔のピープロの持つダサさ、野暮ったさみたいなのを残していてくれました。
特にザボーガーそのものはほとんど印象が変わらない。
へんにスマートになったり、スタイリッシュになっていないのが、良いです。
もちろんCGなどもかなり使っているのですけれども(ザボーガーがバイクから人型へ変形するところはいいですね)、へんに今っぽくなってません。

本作は二部構成となっており、第一部は大門が青年期の話でオリジナルを踏襲するような展開、第二部は大門が熟年期になった時を描いており、これは本作で初めて描かれる話です。
第一部の大門はやたらと熱い正義漢で、確かに昔のヒーローものの主人公というのはこうだったよな〜と思いますが、現代の目線でみると暑苦しい感じもしなくもない。
この温度差というのが懐かしさを出しているのかもしれません(このあたり若い人たちはどう感じるのかな)。
第二部の大門は逆に社会の片隅で落ちぶれたような存在になっています。
正義を行うということにも挫折した様子・・・。
大門は熱い正義漢ですが、第一部の最後で自分が信じる正義を貫こうとしても、それを受ける人びとがそもそも守るに値する善良な人ではないということに矛盾を感じながら戦います。
さらには悪の組織の女サイボーグ(ミスボーグ)を愛してしまう。
いわば大門は守るべき社会に裏切られ、そして悪を行う愛する女(サイボーグだが)守ろうとしてしまうわけです。
けれどもそれにより、正義を守るために共に戦うと誓った相棒であるザボーガーを裏切ってしまうということになってしまったのです。
ザボーガーは大門の指示を受け入れなくなり、ミスボーグを倒し自爆するのです。
第一部は正義を行うというあまりにまっすぐな思い(理想)が、現実の社会において無惨にも敗れ去る姿を描いています。
第二部はその挫折からの再生を描いています。
現実にはいろいろとあるけれども、だからと言って諦めてはいけない。
そして立ち直るっていうのには、遅過ぎるっていうことはないということでしょうか。
ま、井口作品であまりテーマ性を深堀しなくてもいいかと思いますけれどね。

抑えめではありましたが、井口監督らしい描写はそこかしこに。
ただのヒーローものとして子供を連れてきた親御さんは後悔したかもしれません(笑)。

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