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2011年8月 2日 (火)

本 「木島日記 乞丐相」

「多重人格探偵サイコ」(読んでないけど)等の漫画の原作者として知られる大塚英志さんの小説「木島日記」の続編です。
昭和初期を舞台にして、正史の裏にある偽史を題材にしているところは、荒俣宏さんの「帝都物語」等を思い浮かべます。
また(時代はちょっと違いますが)古本屋を営む博識な仕分け人が出てくるあたりは京極夏彦さんの「京極堂」シリーズが連想されます。
昭和初期という時代はこういう伝奇小説で描かれるときはなぜか耽美であったり、倒錯的であったりするのですが、本作もそういう感じが漂います。
江戸川乱歩の作品などがそういう時代感みたいなものを出していると思いますが、どうもこの時代はある種の熟して、熟しすぎちゃって臭い始めている時代のようなものを感じますね。
正直先に上げた「帝都物語」の方が博学的であるし、エンターテイメントとしても盛り上がるし、「京極堂」シリーズの方がミステリーとしても読み応えがあるし、哲学的でもあります。
そういう点では本作は時代の雰囲気というか、今の時代の我々があの時代にか感じる妖しさのようなものはよく出ているとは思うのですが、先の二作品と比べるとややもの足りないところがある感じがしました。

「木島日記 乞丐相」大塚英志著 角川書店 文庫 ISBN4-04-419118-2

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