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2011年7月16日 (土)

本 「長崎殺人事件」

内田康夫さんの浅見光彦シリーズの一冊。
いつも通りと言えば、いつも通りの旅情ミステリーとなっています。
今までも書いていますが、内田康夫さん作品の特徴というのはするすると読める読みやすさでしょう。
がっつりとしたミステリーファンにはあまりにも歯ごたえがない作品だとは思いますが、本を読み慣れない方が、それこそ旅行のついでに乗り物の中で読むにはちょうどいい本かとは思います。
行きと帰りくらいで読み終えてしまうような感じですから。
個人的にはやっぱりもの足りないんですけれどね。
内田さんは推理小説作家としては珍しく、プロットを決めずに書き始めることで有名です。
それで一応最後は帳尻を合わせるところは、職人芸と言えるでしょう。
本作の場合で言うと、犯人についてはやや突然感があったのは否めません。
また最初の方で重要そうだと思っていた人物が後半に存在感がなくなってしまうことがあるというのも内田作品ではよくあります。
このあたりは流れにまかせて書いているというところもあるのでしょうが、もの足りないと感じる一因かも知れません。

「長崎殺人事件」内田康夫著 角川書店 文庫 ISBN4-04-160741-8

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