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2011年7月24日 (日)

本 「メディアと日本人 -変わりゆく日常-」

僕の仕事は広告などの企業コミュニケーションです。
ですので、この10年のメディアの変容については目の当たりにしているわけで、そのあたりがこの本ではうまくまとめられていると思いました。
インターネットの広告費がついに新聞を抜き、テレビ広告に次ぐ広告媒体となりました。
新聞、雑誌の部数や広告費の落ち込みは顕著です。
ただそれにより、時々言われるような「インターネットに広告を全面的にシフト」等ということが正しいかというとそれはないと思っています。
この本でも書かれているのは、インターネットというメディアは情報の発信・受信場所として新しい窓口が開いたということであり、そこで流されている情報の多くは既存のコンテンツの転用であったりするわけです。
僕の最近の広告メディアの戦略にはメディアの多様性とそれぞれの特徴を理解し、適切なタイミングでそれぞれのメディアに合った内容を、発信していくというのが基本の考え方にあります。
テレビ広告にはその良さがあり、また新聞広告にはその良さがあり、そしてインターネットによるコミュニケーション(あえて広告と言いませんが)にも良さがある。
その良さをすべて兼ね備えているメディアは今のところ存在せず(インターネットでさえ)、ですからメディアミックスを基本にしなくてはいけないと考えています。
ただこのメディアミックスを行うには、さきほど書いたようなそれぞれの特徴を理解していなければなりません。
新聞広告は使えないと世間で言われて久しいですが、うちの会社ではひとつの大きな柱となっており、実際に効果があることが証明されてます。
これはどの会社にもそのまま使える戦略では当然のことながらありません。
それぞれのコミュニケーション担当者がメディアを理解し、自分たちの伝えたいことを伝えるにはどのような方法を駆使すればいいかをそれぞれが考えなければいけないでしょう。
そのためにメディアの現状を理解するには、本著は役に立つと思います。
「これからはインターネットの時代」とか「いやマスメディアはまだまだいける」とかいろいろな意見はありますが、それらをフラットにデータから見たメディアというものを冷静に見たうえで、どのように使っていくかを考えるべきだと思います。

「メディアと日本人 -変わりゆく日常」橋元良明著 岩波書店 新書 ISBN978-4-00-431298-7

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