「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 真摯に、ひたむきに
すみません、ドラッカーの「マネジメント」も「もしドラ」も読んでません〜。
ついでにAKB48も、前田敦子さんもよく知りません〜。
そういう要素を除いてみると、本作は今時珍しいくらいの直球の青春スポーツものとなってます。
気持ちがバラバラだった野球部が、互いに認めあい、志を共に持ち、いっしょに戦い、勝利を収める。
まさに王道。
王道だからこそ涙腺に刺激がきちゃうというところはありますね。
バラバラだった野球部をまとめるきっかけとなるのが、新しい女子マネージャー川島みなみ(前田敦子さん)と、そして彼女が勘違いで購入してしまったドラッカーの「マネジメント」なわけです。
本作の中で引用されているように、マネージメントとは別に企業特有のものではなく、非営利団体にも適用することができます。
「もしドラ」はベストセラーになりましたが、どうしても「マネジメント」のようなビジネス本というと、なかなかとっつきにくいところがあり仕事のツールという感じがありますが、それを高校の野球部に適用して、解説するというのはなかなか眼のつけどころがいいと、本作を観てあらためて思いました。
顧客とは何か?
組織目標とは何か?
というのいは仕事をする上で考えなければいけないものですが、どうしてもそれはビジネス上として自分の肌感とは違った脳みそを使っていたりするものです。
それをもっと自分の肌感に近い感じで受け取らせるという意味で、「もしドラ」のアプローチはあるなと思いました。
本作でいいなと思ったのはビジネス理論の中で、やはり「人」というものにしっかりと重きをおいて描いたところです。
ちまたのビジネス本はハウツーとか、スキルとかそういう技術について書かれているものがありますが、それを実行したところで実際の現場では上手くいかないことは多々あります。
それはやはりそこで働く人というものの存在をあまりみれていないからではないからと思います。
ドラッカーの「マネジメント」で書かれていることだと思いますが、本作でもキーワードとなっている「真摯さ」というのは、理論とは別次元のことですが、とても重要なことです。
仕組みに心を入れるということだと思います。
その心がないとなかなかビジネスというものは回らない。
ビジネスの真髄というところにきちんとおさえているところが良いなと思いました。
あと、それほど強く描かれていないですが、「育成」というところについても描かれているのも良いですね。
組織というものの目標は短期的なもの、長期的なものとあります。
本作での程久保高校が甲子園を目指すというのは、大きな目標ではありますが、単年度の目標です。
けれど甲子園行きを一回限りで終わらしてしまってはいけません。
組織として考えれば常に甲子園に行けるような体制を維持するということもひとつの長期的な目標です。
そういう意味で、エラーが続いた祐之助をあえて外さず、使い続けるということは組織を常に目標を達成できる状態にしておくという「育成」観点で重要だと思います。
祐之助はこの試合で得たことを必ず自分でも実にし、そして後輩にも伝えていくことでしょう。
それが持続的な組織を作ります。
短期的な目標しか見えないマネージャーであれば、今期の実績さえいけばいいと思い、来年度にも影響を与えしまうような施策をうってしまうかもしれません。
それではほんとうのマネージャーとは言えません。
持続的な組織を作ることこそがマネージャーの仕事です。
そういう点で、みなみはしっかりとしたマネージャーの仕事をしているなと思いました。
実際仕事ではこの長期的視野を持てていないマネージャーがけっこう多いのです。
自分さえよければいいというような。
みなみの爪のあかでも煎じて呑ませたい・・・。
やはり、つまるところ「真摯で、ひたむき」なマネージャーでいられるかということなんですよね。
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