本 「論点思考 -BCG流 問題設定の技術-」
4年ほど前に読んで感銘を受けた「仮説思考 -BCG流 問題発見・解決の発想法-」の著者の本になります。
「仮説思考」と対になる本とみていいでしょう。
仮説思考が「問題の解決についての考え方」について書いてある本だとすれば、こちらは「問題の設定の仕方」について書かれたものと言えます。
本著でも最初に触れられていますが、仕事では受験勉強のような明確な問題が設定されているわけではなく、問題そのものを自分たちで設定しなくてはいけません。
いくら解決方法がしっかり考えられたとしても、問題設定が間違っていればそれはその答えは意味がなくなります。
本著はその問題設定をするときの考え方について書かれています。
書かれていること自体は、読んでいてほんとうにその通り、というものでした。
基本的にはいろいろな視点を切り替え、さまざまな方向性からほんとうの論点は何なのかと検討をする。
与えられた論点はそもそもそれほど重要ではなく、その根本の大論点こそが大事だということもあるということが書かれています。
これはまさにその通りで、自分自身もデザインや広告をやっていますが、依頼先のオーダーの中にある課題がそれ自体が課題なのか、その根本にはもっと大事な論点があるのではないかというのは考えるようにしています。
考えていくと、広告を担当していながらも、それは広告で解決できる問題ではないのではないかと言うこともたまにあります。
今の部署にきてから、コミュニケーション戦略を広くみるという役割を与えられたおかげで、大所高所からの視点ができたのかもしれません。
自然とこの本に書かれてるような論点思考をしなくてはいけなくなったということでしょうか。
そういう意味で、本著を読んだ後、納得性は感じましたが、「仮説思考」を読んだ時に感じたような興奮のようなものはなかったかなと思います。
少しは自分も成長したということでしょうか。
本著にも書いてありますが、この論点思考というものはやはり自分で実践することを通じてしか身につけにくいものです。
研修などではなかなか厳しい。
これをどのように若手に身につけさせていくかというのは、これからの課題になりますね。
「仮説思考 -BCG流 問題発見・解決の発想法-」の記事はこちら→
「論点思考 -BCG流 問題設定の技術-」内田和成著 東洋経済新報社 ハードカバー ISBN978-4-492-55655-9
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