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2011年6月 4日 (土)

本 「「超」整理法 -情報検索と発想の新システム-」

僕の会社の机の上は、自分で言うのもなんなんだが、きれいではありません。
というより散らかっている(ように見える)。
書類が、まさにタワーのように積み重なっているわけです。
じゃ、探し物をしたりしたりすると、いかにもたいへんだろうと思われるのですが、あまり探し物に時間がかかることはないわけです。
誰かが「この件なんですがー」と来たときも、タワーの中の地層の大体この辺だろうとアタリをつけてスッと書類を引き出せたりするわけです。
大概の人はこんなに散らかっていて、なんですぐ出てくるんですかと言うのですけれども、「超整理法だからー」などと言ってました。
と言いながら、野口さんの「「超」整理法」は聞きかじっただけで読んだことはなかったので、改めて読んでみました。

野口さんの言う「超整理法」というのは、分類するのではなく、時間軸にそって書類などを管理するという手法です。
人間の記憶というのは時間軸ではかなり正確です。
これは僕が書類タワーの中からスッと書類を引き出せるという実感ベースでもその通りだと思います。
野口さんは書類を封筒にいれ、それを縦に並べて管理する手法を紹介しています。
封筒を左から右に向かって新しい順に並べます。
なにか必要なことがありとりだした書類の入っていた封筒は一番左に入れます。
これを繰り返していくと、並んだ封筒の左側は利用頻度の高いものが集まります。
逆に右側はほとんど使わない書類になります。
これはしばらく使わなければ廃棄の対象になるわけです。
僕の机の上の書類タワーで言えば、上の方が利用頻度が高いもの、下の方が低いものになります。
書類整理はまずは分類だろうというのは、よく言われることです。
僕もときどき分類して整理します(社内の文書廃棄キャンペーンのときなどに)。
書類がなくなるのは、だいたいこの時です。
つまり時間軸は覚えられても、人間はどこに分類したかというのはたちまち忘れてしまうものなのです。
みなさんも経験はないでしょうか。
野口さんはいわゆるこういう分類の問題点をいくつか指摘しています。
まずは「こうもり問題」。
これはどこに属するかわかりにくい境界線上にある案件などです。
またいくつかの分類に属する同一の書類を作ったはいいが、片方は更新し、片方は更新しなくてどっちが正しいかわからなくなってしまう問題(ドッペルゲンガー・シンドローム)。
分類整理したという記憶はあるのですが、どこに分類したか忘れてしまう、というのはよくあることです。

こちらの本では「超整理法」を実施するにあたって、コンピューターの力を大いに使うべきだと説いています。
この本が書かれたのはもう20年くらい前なので、書かれている手法はとても古くさいものではあるのですが、考え方は今でも活かせます。
というより今でこそ活かせます。
仕事のコンピューターの中は、僕はファイルはフォルダごとに分類しています。
けれどここでよく「こうもり問題」「ドッペルゲンガー・シンドローム」が発生します。
特にやり取りをしたファイルなどはどれが最新なのかがわかりにくかったり、どこにしまったかがわからなくなったりします。
僕はそういうときはファイルの作成日でのソートをかけたりするのですが、違うフォルダにしまい込まれていた場合はそれも効かない。
Windowsは全ファイル検索をしようとすると途方もない時間がかかるので、なかなか「超整理法」も使いにくい。
難しいところです。
その点、アップルのコンピューターは、Spotlightというかなり強力な検索機能を持っているので、「超整理法」実施には向いているかもしれません。
プライベートはMacなのですが、最近は書類の分類をしなくなりました。
基本的には「書類フォルダ」に突っ込んだままで後から検索で見つけます。

自分自身の経験的にも「超整理法」はうまく機能するなと思っています。
(ただし共有する書類には向きません。あくまで個人のファイリングとしてです)
決して、机の上が散らかっていることの言い訳ではないですから(笑)。

「「超」整理法 -情報検索と発想の新システム-」野口悠紀夫著 中央公論 新書 ISBN4-12-1-1159-7

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