「ラスト・ソルジャー」 犠牲になる庶民への憂い
昨日は近代の中国の歴史ものだったので、今日はずーっと時間をさかのぼり紀元前の戦国時代の中国を舞台にした作品を選んでみました。
同じ「しん」でも「清」ではなく「秦」が中国統一を成し遂げる直前の時代になります。
主演は僕の世代のヒーローであるジャッキー・チェン。
もう50歳後半なのですね・・・(自分も40代だから当たり前か)。
50後半であれだけ動けるのはスゴいです。
とはいえ、以前よりもアクションの場面は少ないですけれど。
コミカルさのあるアクションは相変わらずで、このあたりはやはりジャッキー・チェンならではという感じがあります。
すべての作品を観てるわけではないのですが、最近のジャッキー・チェンの作品はなんとなく少し哀しさとか憂いみたいなものを感じるときがあります。
全体的にはアクションを見せてくれますし、コミカルな感じというのはもちろん強いですが、ジャッキーの演じるキャラクターが何かそういう憂いのようなものを感じます。
それはジャッキーが年をとり、今の世の中を見ながら、なにかそのようなことを感じていたりするのかなとも思ったりします。
彼が生まれた香港も大きく様変わりしますし、中国という国の国民としてどう感じるか、考えるかというのが染み出ているのかなと。
元々国際都市である香港で生まれ、その後世界的なスターとして活躍している国際人であるジャッキーが現代中国をどう見ているのだろうかと考えてしまいます。
本作は基本的に歴史活劇ですが、やはりラストなどでは、国と国とが争うことの空しさ、そしてそういう戦いに否応なく巻き込まれてしまう庶民というものの哀しさを感じます。
舞台となる時代は紀元前200年頃ですから、現代から2000年以上前になります。
その頃から、中国では群雄割拠し互いに争っていますが、現在世界の至る所でもやはり紛争が行われています。
そこではやはり庶民が巻き添えを食っているわけです。
人類は2000年以上も経っているのに、まだやっていることは変わらないじゃないか、とも言っているような感じがします。
あえて中国の戦国時代を選んだのはそういう意味もあるのではないかなと思ったりしました。
ジャッキーの演じるキャラクターに憂いを感じるのは、普通の庶民への憂いが表れているのかもしれません。

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原題:大兵小将
製作:2010年中国・香港合作
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ジャッキーチェン!
死んだフリ(笑)から始まり、さざなみのように笑いへと転化する過程が面白い。やっぱりジャッキーはコミカルなお調子者が似合うよ〜。
ジャッキー扮するお調子者の老兵士は、恩賞目当てで敵側の将軍を捕虜にするのだけど、次第に心通わせていくのもお約束。衝撃的な結末も待っています。
ちょっと淡々とした部分もあるけれど、でも偽矢のシーン(将軍の弟が矢を放ち斥候のどちらかが死んでいるシーン)はつい笑っちゃったなー。
ラストはお約束のNGシーン、やっぱりこれもないとね!
【概略】
... [続きを読む]
受信: 2011年5月 6日 (金) 17時54分
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2010年11月13日(土) 17:00~ TOHOシネマズ川崎3 料金:0円(フリーパス) パンフレット:未確認 『ラスト・ソルジャー』公式サイト フリーパス15本目。 昔の中国の話。ジャッキーは、農家の出の弱小国の兵士。元農民であり、戦争なんか終わり畑を耕すのが望み。よってもって強い男ではない。といことで、ジャッキーのアクションは控えめ。 敵国の将軍を運良く捕虜にして、自国に連れ帰り報酬を得ようとする。即ち、バディ・ムービーでロード・ムービーだ。 構想20年とかで、ジャッキーがとても撮り... [続きを読む]
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逃げるが
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製作年度 2010年
製作国・地域 中国/香港
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コメント
Agehaさん、こんばんは!
最近、みなさんブログの引っ越しが多いですね。
(それもgooに引っ越す方が多いですね)
ジャッキーの映画ってそれほど強いメッセージを出さない感じでしたが、本作はちょっと違いましたよね。
若い世代に伝えたいことが出てきたのかな。
投稿: はらやん(管理人) | 2011年6月 7日 (火) 22時46分
オヒサです~♪
ブログ引っ越しました。
とはいえ、インポートしていないので
パイレーツとブラックスワンはシーサーに残ったままですいません。
バイトをやめてしまったので前ほど劇場鑑賞へはいけないですが、DVDレンタルのおっかけであっても
映画のレビューはまた書いていきますのでどうぞよろしく。
メッセージ性の強い作品でしかもラストがああなるとは。
ちょっとびっくりでした。
投稿: Ageha | 2011年6月 4日 (土) 22時50分
kiraさん、こんばんは!
どちらかというと映画ではメッセージを載せないタイプのジャッキーが、本作ではメッセージを出していたような気がします。
でも今までのジャッキーらしさも出ていましたよね。
投稿: はらやん(管理人) | 2011年5月 9日 (月) 20時36分
ユルユル、コミカルアクションの中にも、
戦争を始める側と、避けられない平民の側のギャップが
ちゃんと描けていて、それがあのラストだったと思います。
いつも社会をみつめて発信し続けるジャッキーの思いの入った1本でした。
投稿: kira | 2011年5月 8日 (日) 14時01分