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2011年5月29日 (日)

「MM9-MONSTER MAGNITUDE-」 シミュレートされたリアルさ

昨年深夜帯で放映されていた「MM9-MONSTER MAGNITUDE-」をようやく観ました。
こちらは山本弘さんの小説「MM9」を原作にしていますが、ほぼオリジナルと言っていい内容です。
原作と共通しているのは、怪獣が実在し台風や地震などと同じく災害として認識されている世界観、そして気象庁で怪獣の災害対策を行う通称「気特対」というチームの設定です。
怪獣というと、「ウルトラマン」のようなヒーローや特別チームなどが思い浮かんでしまいますが、本作はそのような「派手な」見せ場がある作品ではありません。
どちらかと言えば、災害対策を業務として行っている公務員の物語と言えます。
このあたりのテイストは、本作の脚本家伊藤和典さんに寄るところが大きいでしょう。
伊藤和典さんの代表作と言えば、押井守監督と組んだ「うる星やつら」「機動警察パトレイバー」、または「平成ガメラ」シリーズが上げられるでしょう。
伊藤さんの特徴としては、メインストリームの物語よりも、どちらかと言えば枝葉になるような話に異様に力を入れるというようなところがあります。
この作品で言うと、室町課長と久里浜部長の飲み会などがそんなところでしょうか。
ある種、シュールな感じがあるんですが、このあたりのテイストは伊藤さんが「うる星やつら」の頃から持っていたものですね。
また伊藤さんの作品は、綿密に設定された世界観(もしも○○が現代にあったら?と言ったような)を背景にしているというところがあります。
「パトレイバー」は「レイバー(いわゆるロボット)」が日常生活に取り入れられたとしたら、社会はどのような状態になるのだろうかということをシミュレートしているとも言えます。
「ガメラ」はもし今の日本に怪獣が現れたとしたら、政府は、自衛隊はどう対応するのかということをシミュレートしています。
本作では、もし怪獣がいることが普通な世界だったら、ということをシミュレートします。
このあたりのシミュレート力が伊藤さんの真骨頂でしょう。
「ガメラ」ではテレビのニュースキャスター「以下、この怪獣をギャオスと呼称します」というようなことを言い、それに妙にリアルさを感じたものでした。
同じようなシミュレートされたリアルさの感覚は、本作でも共通しています。
またクセのあるキャラクターたちというのも伊藤さんならでは。
本作の「気特対」のメンバーのクセのあるところは、「パトレイバー」の「第二小隊」にも通じるところがありますね。
切れるんだか切れないんだかわからない久里浜部長は、「第二小隊」の後藤さんを連想させますね。
やる気があるんだかないんだかわからない灰田チーフも、伊藤さんのキャラクターっぽかったです。
いろいろ書きましたが、あらゆる点で伊藤和典という脚本家の印で溢れている作品だと言えます。
「機動警察パトレイバー」「平成ガメラ」が好きな方は気に入るのではないでしょうか。

山本弘さんの原作「MM9」の記事はこちら→

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