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2011年5月15日 (日)

「あしたのジョー(1980)」 記憶に残るカット

先月アニメーション演出家の出﨑統さんが亡くなりました。
出﨑さんは多くの作品を作られていますが、その中でも代表作と言えるのは「あしたのジョー」でしょう(あとは「エースをねらえ!」「ベルサイユのばら」か)。
今回、改めて「あしたのジョー」を観て思ったのは、とても印象深いシーン、カットが多いということです。
個人的には「あしたのジョー」は何度も何度も観たわけではないのですが、どのカットもすごく記憶に残っています。
例えばジョーと力石のクロスカウンターのシーンで、二人の汗が垂直方向と水平方向に飛び散るところとか。
ジョーと力石が握手をしようとして力石がそのまま倒れ込むシーンとか。
出﨑さんの演出は、実写ではありえないように物理法則を無視していたりする極端さがあるのですが、けれどそのカットがとても記憶に残るほど印象深いのです(「マトリックス」以降の最近のCGバリバリの実写は物理法則を無視して印象深くしていますが、元々その影響はアニメーション発の手法と言っていいでしょう。バレットタイムなどはまさにアニメ的)。
その印象的なカットは、実写というよりはどちらかといったら漫画・劇画の影響下にあるような気がします。
出﨑さんの演出だと、劇画的なタッチとか、止め絵とか、斜線を入れて焦点をはっきりさせたカットとか、すごくパースがかかったカットとかがありますが、これは漫画で言えば、見開きで大きなコマを使って表現しているような感じに近いと思います。
そういった印象深い演出により、漫画の大コマに匹敵するような、強烈なインパクトを与えるんですよね。
このインパクトが、記憶に残させるカットを生み出しているのだと思います。
こういう荒々しいダイナミックさは最近のアニメーションではなかなか見られないですね。
どちらかというと綺麗だったり、とても密度が濃かったり。
すごく手がかかっているのですけれど、「このカット」と記憶に残るようなものはなかったりします。
そういう点で出﨑さんの作品はすごいなと思います。
書いていたら、出﨑さんの他の作品も観たくなってきました。
次は「エースをねらえ!」かな・・・。

実写版「あしたのジョー」の記事はこちら→

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コメント

inunekoさん、こんばんは!

「エースをねらえ!2」ですよね。
これも観ました。
宗方コーチが死んでからの話でしたが、これも傑作でしたよね。
見直してみようかな。

投稿: はらやん(管理人) | 2011年5月28日 (土) 22時41分

出崎監督大好きでした。エースをねらえ!は後年作られたビデオシリーズも演出作画ともに素晴らしい密度でしたので、TVシリーズをご覧になったあとにゼヒ。
ボクは今、遺作となったハードな方のBJの完成を待っています。

投稿: inuneko | 2011年5月22日 (日) 19時10分

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