「仮面ライダーアクセル」 さすがです、坂本監督!
昨年、好評のうちに終了した「仮面ライダーW」のスピンオフが、Vシネで登場です。
本作は「W」に登場したいわゆる2号ライダー(同じ作品で二人目に登場するライダーのこと)である仮面ライダーアクセルが主人公になります。
本作は先日公開された「仮面ライダー×仮面ライダーオーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE」の後日談となっていますので、照井と亜樹子は新婚さんという設定です。
オープニングでの役名はちゃんと照井亜樹子になってましたねー。
アメリカのヒーローものではスピンオフで、サブキャラが主人公になるというのはよく見かけますが、「仮面ライダー」シリーズでは初めてなんじゃないかな?
本作でメガホンをとるのは「仮面ライダーW」の劇場版「運命のガイアメモリ」の坂本浩一監督。
「運命のガイアメモリ」は今までの劇場版の中でも最高レベルの出来であったので、期待が高まっていました。
蓋を開けてみると・・・。
おもしろい!さすがです、坂本監督!
長谷川圭一さんの脚本もすばらしい!
「W」にはバディムービーらしさ、これは主人公二人のギャップ、そしてそれを越えて醸成される信頼といったようなものがあったと思います(だいたいバディムービーの主人公の二人というのは、全く逆の環境や立場であることが多い)。
それが本作は、正義を守る孤独なヒーローという極めて王道なところに立ち位置を持っていっています。
もともと「W」でも翔太郎以上にハードボイルドであった照井竜というキャラクターを主人公に据えるところから必然的に導きだされるものではあるのですが、そこをまっすぐに追求してハードボイルドなヒーローものに仕上がっていたと思います。
最後の最後までハードボイルドという主人公というのは、かえって今の時代では新鮮に見えるかもしれません。
照井竜、かっこよすぎです。
今回は変身することを封印されてしまっている場面が多くあり、生身でのアクションも多かったです。
照井役の木ノ本嶺浩さんは元々空手をやられていたそうで、生身のアクションもかなりこなしていました。
これはアクション俳優と言えるほどで、見応えあります。
特に手錠で繋がれながらのファイトシーンはスピーディでひきつけられます。
このあたりはジャッキー・チェンに大きく影響されアクションを目指したと言っている坂本監督らしさが出ていました。
そう言えば、本作でも刃野刑事のアクションシーンはおもいきりジャッキー映画へのオマージュが出されまくってました。
ジャッキーへのオマージュと言えば、エンドロールもNG集になっていました。
これはジャッキーファンが見たらニヤリとするところですよね(僕もニヤリとしました)。
あと、最後に登場するアクセルの第三のフォーム、アクセルブースター、これもむちゃくちゃカッコいいです。
ブースターがついているため、立体機動をしながらミサイルを避けるシーンがあるのですが、これをフルCGでやらずに、ワイヤーでやっているのがすごい(当然ワイヤーはCGで消してますが)。
ここはさすがアクション監督も兼ねる坂本監督ならでは。
ここは「運命のガイアメモリ」のバイクでジャンプしながら空中キックのシーンに匹敵するほどカッコいいです。
最近の技術であればフルCGは容易だとは思うのですが、アニメっぽくなってしまうのは確かにある。
そのアニメっぽさというのは、本作のハードボイルドさとはなかなかマッチしにくいと思われます。
だからこそ現場でのワイヤーアクションから醸し出されるリアル感というのを大事にしたのでしょう。
あまり触れませんでしたが、ストーリーも「W」の世界観を大切にしながら、「アクセル」としておもしろく仕上がっていました。
いや〜劇場版として公開されても遜色のない出来でありました。
こうなると夏に発売のスピンオフ「仮面ライダーエターナル」にも期待をしちゃいます。
本作から引き続き、坂本監督が担当されます。
「エターナル」は「仮面ライダー」シリーズ史上初、悪役ライダーが主人公という話になるということ。
どんなふうになるんでしょう。
そう言えば、「スパイダーマン」の悪役「ヴェノム」がスピンオフで公開されるって話はどうなったのだろう???
| 固定リンク
コメント