「KAMENRIDER DRAGON KNIGHT」 オリジナルとは違ったおもしろさ
こちらは日本で2002年に放映された「仮面ライダー龍騎」のアメリカでのリメイクになります。
スーパー戦隊シリーズをリメイクしている「パワーレンジャー」と同様、アクションシーンの一部は日本の「龍騎」から流用がありますが、キャストなどが登場するドラマパートはすべてアメリカの俳優で新しく撮影されています。
ストーリーや設定もオリジナルと共通の部分もありつつも大きく変更されています。
大きく異なるのは、明確な敵である侵略者ゼイビアックスという存在があることでしょう。
オリジナルの「龍騎」は明確な敵は存在せず、ライダー同士がそれぞれ信じる「正義」の違いにより、戦いあうという物語でした。
けれども「DRAGON KNIGHT」は侵略者から地球を守るという明確な目的があります。
ただそうだからといって、子供向けの勧善懲悪な物語となっているわけではなく、オリジナルにもあった相手への信頼、裏切りみたいなものがより明確になって描かれているように思いました。
シリーズ前半は仮面ライダーという存在、そして地球と裏表の関係にある惑星ベンタラの存在という謎というものが核になります。
また主人公キット・テイラー(これはオリジナルの城戸(きど)真司からとられている)が、あの手この手で彼をだまそうとするゼイビアックス、そして彼に従うライダーたちに翻弄され悩み、そしてライダーとしての自覚を持っていく過程を描いていきます。
シリーズ後半は、もともとベンタラのDRAGON KNIGHTであり、キットと裏表の存在であるアダムの苦悩が描かれます。
アダムはゼイビアックスにだまされ、ベンタラを滅ぼすことに手を貸したということに悩み、それでも人質に恋人をとられていることで、地球侵略に手を貸すことになります。
オリジナル龍騎の「劇場版」のリュウガのような存在ではあるのですが、あれほど心が真っ黒ではなく、逆に自分が裏切ったことへ悩みながら生きている人物として描かれています。
このあたりは本作ではかなり深く描かれており、「DRAGON KNIGHT」の後半の主人公はアダムであると言ってもいいほどです。
アクションシーンは日本のオリジナルの映像を流用しているところも多いですが、新しいストーリーに違和感なくうまく組み込んでいます。
新撮のアクションシーンも多く、ここはけっこう派手な立ち回りになっていて見応えありますね。
本作、観る前は「龍騎」を子供向けにアレンジしたものだと期待はしていなかったのですが、ストーリー、アクションともにかなりおもしろいものに仕上がっています。
日本語吹き替えで見たのですが、声優陣は日本の仮面ライダーに縁がある方が多く担当されていたのもい嬉しいところ。
レンの声はオリジナル「龍騎」でまさに蓮を演じていた松田悟志さんがあてていましたが、やはり仮面ライダーウィングナイト(オリジナルではナイト)の声はぴったりですね。
ライダーに変身するときは、日本では「変身!」と」いうかけ声が定番ですが、こちらの「DRAGON KNIGHT」では「仮面ライダー!」というかけ声で変身します。
これが日本語吹き替えでも英語的発音で「仮面ライダー!」(ライダーのRが巻き舌ね)というのが、初めはとまどいます。
でも見ていくうちに慣れてしまうのがおかしい(笑)。
さあ、みんなもいっしょに「仮面ライダー!」。
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