「スケバン刑事(1987)」 戦う美少女の原点
「エンジェル ウォーズ」を観てきたというのは、昨日の記事で書いたとおりです。
セーラー服姿の美少女バトルと言えば、原点はこれだよなぁということで、南野陽子さん主演の「スケバン刑事」(劇場版)を観直してみました。
こちらの映画が公開していたときは、僕は高校生でアイドルにも興味がある年頃ですから、もちろんテレビシリーズも観てました。
どちらかというと南野陽子さんよりは、三代目の浅香唯さんのほうが好きでしたが。
本作は1986年に放映されたテレビシリーズ「スケバン刑事Ⅱ 少女鉄仮面伝説」の後日談です。
この1986年というのはエポックな時期であると思われます。
なぜならこの年は「エイリアン2」の公開年でもあるからです。
「エイリアン2」と言えば、やはりシガニー・ウィーバー演じる主人公リプリーが女性ながらも大バトルアクションを繰り広げた作品です。
それまではアクション映画での女性の役割と言えば、守られる側であったことが多かったですが、「エイリアン2」のリプリーにより、戦う女性、強い女性というのが、それからのトレンドとなっていきます。
偶然ですが、当時の日本は「スケバン刑事Ⅱ」で美少女アクションというのが成立してきました(「エイリアン」も「スケバン刑事」も2作目で大きくアクションに方向性を降ったというのは偶然ながら面白い)。
その後、「スケバン刑事Ⅲ 少女忍法帖伝奇」、「少女コマンダー IZUMI」、「花のあすか組」と続いていきますが、ここでこの路線は途絶えます。
しかし、その流れは実写からアニメのほうに受け継がれており、今の日本のアニメといったら、戦う美少女だらけです(よく知らないですが)。
そういう意味で日米ともに、戦う女性という方向性が示されたということで、1986年というのはひとつ区切りとなる年ではないかと考えられます。
改めて本作見直してみると、けっこう「エンジェル ウォーズ」との類似点が上げられます。
ある施設に閉じ込められた若者たち、彼らは大人の都合のいいように扱われ、自分たちの自由はない。
そういう監獄から脱出するために若者たちは立ち上がる。
このあたりのストーリーの骨子は似ています。
「エンジェル ウォーズ」でもロボトミー手術が出ていましたが、本作でもそれらしき場面があります。
反抗した生徒を人体実験したような描写(杉本哲太さん。高校生に見えない!)もあります。
そういえばセーラー服にアーマーをつけるというのも、本作が原点かもしれないですね。
本作で生徒たちが閉じ込められている学校は、当時社会問題となっていた「戸塚ヨットスクール事件」などの風刺も窺えます。
本作は「Ⅱ」の放映終了後、「Ⅲ」のオンエア中に公開されたので、現役スケバン刑事の風間唯(浅香唯さん)の客演(客演と言ってもかなりでていますが)も用意されています。
このあたりの仕掛けは東映らしい(「マジンガーZ対暗黒大将軍」でのグレートマジンガー登場とか、最近の「仮面ライダー」劇場版での新ライダーお披露目とか)ですよね。
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