「漫才ギャング」 緩急自在のテンポが心地よい
品川ヒロシさん、「ドロップ」に続く監督第二作目になります。
実は「ドロップ」は未見。
評判は意外にも(失礼!)評判は良かったですが、本職じゃない方の監督作品ですし、また「クローズ」がヒットしたから二番煎じ?みたいな思いもあって、スルーしてしまいました。
ということでしたが、本作は予告編がけっこうおもしろかったので、本日観に行ってきました。
感想は・・・、おもしろい!
品川監督、いいじゃないですかー。
思えば、北野武監督、松本人志監督と、芸人を本業としている監督って巧みな方が多いですよね。
漫才をやっている方って自分でネタを書いたりするわけで、話の展開とかについて日々考えているのが仕事なわけですよね。
そういう芸人出身監督がみなさん脚本も自分で書けるっていうのは、よく考えれば納得ですよね。
品川監督が上手いな、と思ったのは編集です。
カットの切り方がテンポいい。
これは早いというより、緩急の使い方が巧みという感じがしました。
例えば、飛夫と龍平が初めて出会う留置所のシーン。
二人の会話、それにはさまる飛夫のモノローグのあたりのテンポがものすごく心地よい。
まさにここのテンポは漫才のボケとツッコミのリズムなんですよね。
単純なカットの切り替えだけではなくて、カメラの動かしなどもさりげなく工夫がありました。
ケンカなどのアクションシーンは早いカットの切り替え、そしてスローをはさむところなど緩急の付け方がうまい。
若い監督にありがちな「個性的な感じを狙った」というよりは、監督二作目にして「手慣れている」感じがしました。
お話は「漫才」を題材にしながらも、友情と成長をテーマとしていた王道のストーリーです。
言うなれば「少年ジャンプ」的なわかりやすいお話と言えるでしょう。
わかりやすく、すっと物語に入っていきやすいので、普段映画を見慣れない人も苦にならない作品です(北野監督とか、松本監督はクセがあるので)。
上記のテンポの良さというのも見易さにつながっていると思います。
主人公飛夫を演じた佐藤隆太さん、龍平を演じた上地雄輔さんの漫才シーンは、本職ではないのにも関わらず非常におもしろかったです。
このあたりは監督の指導があったのでしょうか。
それにしても見事な漫才コンビっぷりでした。
龍平のツッコミは気持ちいい!
職場の会話では、後輩がやたらボケたがるので、僕はどちらかというといつしかツッコミ担当に。
最近はツッコミのスピードも早くなったようで、先日その後輩に褒められました(どういう職場だ)。
めざせ、龍平のツッコミです。
普段、あまりお笑い番組を観ないので、芸人さんには詳しくないのですが、本作を観て気に入ったのは「シャア専用デブ」の方(秋山竜次さんとおっしゃるようで)。
一言で言って「キモイ!」んですが、なんかアレがたまらなくツボに入ってしまいました。
「シャア専用デブ」登場時のときの会話の際の、品川監督のカメラの寄り方もキャラクターがわかってらっしゃる!という感じで執拗でよかった。
「キモさ」が際立って、逆にいい感じでした。
久しぶりに劇場で大笑いできました。
世の中、こんな雰囲気なので、大笑いして気分をすっきりするのもいいですよね。
こんなときだからこそ、ぜひ劇場へ!
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