本 「死亡フラグが立ちました!」
「このミス大賞」入選作の文庫化作品です。
文庫化にあたり、大幅にリライトしているそうです。
さてタイトルにある「死亡フラグ」、ご存知の方も多いとは思いますが、この言葉の説明を。
映画や小説などで、物語の進行中に「いかにも死にそうな人」のことを「死亡フラグが立った」ということがあります。
例えば、ホラー映画でエッチをしてしまった若いカップルは大体最初の方で殺人鬼に殺されちゃったりします。
こういうシーンを観ている時などに「あの二人、死亡フラグがたったよねー」といった感じで使うわけです。
他に「死亡フラグ」が立ちやすいのは、いかにも悪そうだった人が改心したときとか、自分では賢くふるまっているようなコウモリみたいなやつ、とかですかね。
みなさんもいろいろ思い浮かぶんじゃないでしょうか。
さてこちらの小説ですが、この作品には殺し屋が登場します。
けれどもその殺し屋は通常の殺し屋とは異なり、まるで事故のように装って殺しを請け負うというスタイルをとっています。
殺人予告が本人に送りつけられ、その24時間以内にその人物はなんらかの事故により、「偶然」死んでしまう。
それを行っているのが、「死神」と呼ばれる殺し屋であるという都市伝説が囁かれています。
その「死神」の存在を、仕方なしに追うはめになったフリーライターとその先輩、また「死神」の存在に気づき始めている刑事たちなど、複数の物語が並行して進んでいきますが、それが最後には収斂していきます。
本格ミステリーという感じではありませんが、映画や小説などのミステリーが好きな方ほど楽しいかもしれません。
著者は処女作というところで、やや粗いところもなくはないのですが、最後の方は一気に読ませてくれます。
こういうちょっと搦め手気味のミステリーは「このミス」っぽい感じがしますね。
「死亡フラグが立ちました!」七尾与史著 宝島社 文庫 ISBN978-4-7966-7752-7
| 固定リンク
コメント
ねこやまさん、こんにちは!
確かに漫画向きかもしれないですね。
読み心地としてはライトな感じですから。
やや人物描写としては甘めなところはありますが、その辺が軽く読めるところにも繋がっているかもしれません。
投稿: はらやん(管理人) | 2011年5月 3日 (火) 06時53分
はじめまして。
TBありがとうございました。
わたしも最近コレ読みました!
漫画にしても売れそうな設定ですよね!
なんか、どんどん続編とか作れそう~。
投稿: ねこやま | 2011年5月 2日 (月) 22時34分