本 「完全なる首長竜の日」
第9回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。
選考評を読むとかなりみなさんの評価が高いですが、個人的には悪くもないですけれども、それほどすごいと思えるほどではなかったですね。
「このミス」と言えば、海堂尊さんの「チーム・バチスタの栄光」が受賞して注目を浴びましたが、あの作品を読んだときほどの興奮はありませんでした。
とはいえ、決しておもしろくない小説ではありません。
描かれている主題は、何が現実で、何が非現実なのかということ。
本作の中でも「胡蝶の夢」の話がでてきますが、なにが現でなにが幻なのかというのはかなりいろいろな作品で取り上げられたテーマですので、それほど個人的には発想がすごいというように感心するほどではなかったですかね。
F・K・ディックが好きな方、または映画「インセプション」が好きな方は読み、見比べてみてもいいかもしれません。
僕もこの手の作品は好きで、いろいろ読んでいたり見ていたりするので、大体途中でこういうことだろうという結論も薄々感じてしまっていて、ラストで「おーっ」っていうのはなかったんですよね。
丁寧な作りであることは間違いありません。
「完全なる首長竜の日」乾緑郎著 宝島社 ハードカバー ISBN978-4-7966-7990-9
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» 完全なる首長竜の日 [どくしょ。るーむ。]
著者:乾 緑郎
出版:宝島社
感想:
『完全なる首長竜の日』を読みました。
この作品は第9回このミス大賞受賞作で、『チーム・バチスタ〜』以来の選考委員即決という前評判。期待し ... [続きを読む]
受信: 2012年3月31日 (土) 20時27分
» 完全なる首長竜の日 乾緑郎 [苗坊の徒然日記]
完全なる首長竜の日著者:乾 緑郎宝島社(2011-01-08)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る
植物状態になった患者と、コミュニケートするための医療器具「SCインターフェース」が開発された ... [続きを読む]
受信: 2012年4月 1日 (日) 22時30分
» 乾緑郎 「完全なる首長竜の日」 [こみち]
JUGEMテーマ:読書感想文nbsp;
何所までが現実の世界の出来事で
nbsp;
何所からが空想世界なのかハッキリしない内容でした。
nbsp;
SFでもホラーでもないミステリーといったところでしょうか。
nbsp;
なんだか涼宮ハルヒシリーズのような仮想空間?のような
nbsp;
話なので、好き嫌いがはっきりでると思います。
nbsp;
個人的には最後に騙された感があり、... [続きを読む]
受信: 2012年11月10日 (土) 13時58分
» ミステリというよりは・・・ [笑う社会人の生活]
小説「完全なる首長竜の日」を読みました。
著者は 乾 緑郎
淳美は自殺未遂により意識不明の弟の浩市と植物状態の人間と対話できるSCインターフェースを使い対話を続ける。
「なぜ自殺を図ったのか」弟の記憶を探るうちに周囲で不可思議な出来事が起こり・・・
設定だ...... [続きを読む]
受信: 2012年11月30日 (金) 21時40分
» 完全なる首長竜の日 乾 緑郎 [花ごよみ]
完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
主人公は少女漫画家の和淳美。
SCインターフェースを使い、
意識不明の弟、
浩市と対応する。
謎の女性が登場、
彼女が弟に接触。
意識不明の状態に、
なっているのは誰?
弟は淳美に自死の、
本当の理...... [続きを読む]
受信: 2012年12月10日 (月) 19時47分
» 本『完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)』著・乾緑郎 読んだ [よくばりアンテナ]
完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)(2012/01/13)乾 緑郎商品詳細を見る
【このミス】大賞受賞作。
6月に映画公開予定。
などと帯に書かれていたら、一応チェックするんですね。
...... [続きを読む]
受信: 2013年4月27日 (土) 18時36分
» 「完全なる首長竜の日」 乾緑郎 [映画と本の『たんぽぽ館』]
現実と幻想、境界の危うさ
【映画化】完全なる首長竜の日 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)乾 緑郎宝島社
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選考委員が即決した『このミス』大賞受賞作!
テレビ・雑誌各誌で話題、
その筆力を絶賛された大型新人のデビュー作...... [続きを読む]
受信: 2013年8月 5日 (月) 20時18分
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