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2011年2月17日 (木)

本 「完全なる首長竜の日」

第9回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。
選考評を読むとかなりみなさんの評価が高いですが、個人的には悪くもないですけれども、それほどすごいと思えるほどではなかったですね。
「このミス」と言えば、海堂尊さんの「チーム・バチスタの栄光」が受賞して注目を浴びましたが、あの作品を読んだときほどの興奮はありませんでした。
とはいえ、決しておもしろくない小説ではありません。
描かれている主題は、何が現実で、何が非現実なのかということ。
本作の中でも「胡蝶の夢」の話がでてきますが、なにが現でなにが幻なのかというのはかなりいろいろな作品で取り上げられたテーマですので、それほど個人的には発想がすごいというように感心するほどではなかったですかね。
F・K・ディックが好きな方、または映画「インセプション」が好きな方は読み、見比べてみてもいいかもしれません。
僕もこの手の作品は好きで、いろいろ読んでいたり見ていたりするので、大体途中でこういうことだろうという結論も薄々感じてしまっていて、ラストで「おーっ」っていうのはなかったんですよね。
丁寧な作りであることは間違いありません。

「完全なる首長竜の日」乾緑郎著 宝島社 ハードカバー ISBN978-4-7966-7990-9

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