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2011年2月23日 (水)

本 「フェイスブック -若き天才の野望-」

「ソーシャル・ネットワーク」を観た当時、まったくSNSをやっていなかったのは、映画のレビューをしたときも書いた通り。
ですが、ひと月あまり経った今では、フェイスブックの持つ可能性を感じ、もしかすると世界は変容するのではないかとも思い始めていたりします。
2月に入り、仕事関係でいろいろとSNS周りのでの提案も多くなっていることから、これは体験しないとわからないなということで、ほぼ同時にミクシィとフェイスブックにアカウントをとりました。
ミクシィはハンドルネームなのでそれほど抵抗感はなかったのですが、フェイスブックは実名ということでけっこう迷いました。
しかし使い始めて思ったのは、実名主義だからこその便利さ、可能性があるということに気づきました。
使って始めてザッカーバーグのビジョンの素晴らしさに感銘を受けた次第です。
しかし、一ヶ月で、えらい変わりようです。
自分でもびっくり。
それだけ衝撃的なツールであったということでしょう。
個人的には学生の時Macを始めて使った時、そしてインターネットに始めて接続した時、に感じたこれは生活変わるなという直感に等しいか、越えているような感じでした。

この本は、ザッカーバーグがハーバード大学の寮で「ザ・フェイスブック」を立ち上げてから、今までの経緯を追ったノンフィクションです。
しっかりした取材が感じられる密度のある著書ですので、読み応えがあります。
「ザ・フェイスブック」の立ち上げから現在までを追っているので、読んでいくと「フェイスブック」がどんどんと成長していく様が、すぐわきにいたかのようにリアルに感じます。
もしかすると僕自身が、フェイスブックを使いながらその可能性に気づいていく過程と並行してこの本を読んでいたからかもしれませんが。

この本の読み方としていくつかの視点があるかと思います。
そのなかで一つここでは、「フェイスブック」というサービスの思想、というよりザッカーバーグのビジョンといったものが何なのかということについて考えてみたいと思います。
僕がこのサービスを使い始める前に思っていたのは、なぜ実名主義なのか、ということ。
インターネットではいろいろと怖いことも起こっているので、自分の名前やプロフィールを曝すのはけっこうリスクが高いのではないかと。
けれどもザッカーバーグの考えはちょっと違う。
彼は透明性がどんどん高まれば、より安全になるということです。
簡単に言ってしまえば「大勢の知っている人の面前では、人は悪いこと、恥ずかしいことはしない」ということです。
匿名主義というのは、自分自身の安全は守りやすいのですが、その反面無責任な発言の横行も招きます。
某巨大掲示板での発言はまさにそれを表しているでしょう。
けれどもそこで実名を曝すのであれば、あのような暴言をみなは吐くでしょうか。
たぶんそんな勇気がある人はそうそういないでしょう。
知っている人の前では行儀よくなるものです。

またザッカーバーグの思想にあるユニークな点は、まず人に<情報を>与えて、自分も<情報を>得るという考え方。
ここでユニークなのは、<情報を与える>の対価が<情報を得る>ということ。
それまでのメディアのモデルは基本的に<情報を与える>の対価として<お金を得る>ということでした。
情報の「物々交換」とでもいいましょうか。
このモデルのユニークなのは、<情報を与える>側にも、<役に立った>という満足感が得られるということなんです。
それが実名だからこそ意味がある。
「いいね!」というのは、「○○さん、ありがとう」と言われているのと同じような意味合いがあり、<与える>側にも満足感があります。
だからこそ皆は自分から情報を発信する。
それにより情報はさらに豊かになる、という好循環を生み出します。

ザッカーバーグのものの考え方は、エリートらしい理想主義的なところもあります。
青臭いという人もいるかもしれません。
ただ世界を変えようとしているのは、平均年齢30歳くらいの若者たちなんですよね。
年をとったオジサンたちが「青臭い」と言ってもなんの説得力もありません。
彼らが描くビジョンがどこまで実現できるか未知数ではありますが、少なからず世界を変える力は持っていると思います。
それこそ中東や北アフリカでは、地殻変動のようなうねりが現在起こっているわけです。
若者たちの理想が世界を変えるかもしれません。

翻って思うに、日本の政治家たちのなんとビジョンのないこと・・・。
ニュースを観るたびにあきれるのを通り越して、恥ずかしさすら感じ始めています

映画「ソーシャル・ネットワーク」の記事はこちら→
うーん、今もう一度この映画を観たら、感想が変わるかもしれません。

「フェイスブック -若き天才の野望-」デビッド・カークパトリック著 日経BP社 ソフトカバー ISBN978-4-8222-4837-6

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