« 「アンストッパブル」 手に汗握ります | トップページ | 「バーレスク」 ポジティブ・シンキング »

2011年1月 9日 (日)

「レッド・オクトーバーを追え!」 見えない敵との駆け引き

テクノスリラーの第一人者トム・クランシーの小説の映画化作品。
主人公の名をとり、ジャック・ライアンシリーズと言われていますが、その第一作品です。
映画で本作のあと、ハリソン・フォード主演でこのシリーズは「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」「トータル・フィアーズ」と続編が作られていきますが、僕はこの一作めが一番おもしろいと思っています。
主人公のジャック・ライアンもハリソン・フォードより、本作のアレック・ボールドウィンのほうが自分の中ではイメージに近いんです。
ハリソン・フォードはやはりどうしてもヒーロー然としてしまうので、困難にあたっても解決できちゃいそうな感じがしてしまうので。

潜水艦ものというのは昔から名作が多いですよね。
「眼下の敵」「Uボート」「クリムゾン・タイト」・・・。
高い圧力の海水に囲まれた限定空間の中での緊張感、また見えない敵との駆け引き・やりとりという要素が映画をおもしろくするのでしょう。
本作ではソ連(!映画公開のときはまだ冷戦中)の新型ミサイル原子力潜水艦「レッド・オクトーバー」の艦長ラミウス(ショーン・コネリー)が原潜ごと亡命を企てます。
それを防ごうと隠密裏に軍を差し向けるソ連、またその動きを察知するCIA、米軍。
CIAのアナリストであるジャック・ライアンは、ラミウスの亡命の意志を直感し、彼と最新鋭潜水艦を傷つけずにまた平和裏に手に入れようと画策します。
映画はラミウスサイド、ジャックサイドと交互に描かれていきますが、互いに相手の意図が不明な中での駆け引きを行っていくあたりが緊張感があります。
その駆け引きも十分見ごたえありますが、また潜水艦同士の戦いも見所のひとつ。
最初の方のラミウス艦長の海溝での操船術を見せるシーンは緊張感があり、好きな場面です。
また後半の方の潜水艦同士の戦いは、水中のドッグファイトともいえるようなところもあり非常にカッコいいです。
ソ連潜水艦がレッド・オクトーバーに魚雷を撃って、それを撹乱させるために米海軍のロサンジェルス級潜水艦ダラスが割って入るところも好きなシーンなんですよね。

この映画が公開されたのは1985年。
ソ連崩壊が1991年ですから、さきほど書いたように公開時はソ連の脅威があったと言われていた時期でした。
あとから見てみると、1985年あたりで最新鋭の原潜など作れるような状況ではソ連はなかったわけなのですが、その頃は冷戦中ですから、アメリカからすればそれこそ見えない敵ではあったんですよね。
見えない中で駆け引きがあるのが政治で、そういう意味では潜水艦同士の戦いというのは政治の縮図なのかもしれません。
本作までくらいがソ連が明確な敵として映画で描かれた最後の時期ですよね。
その後は強力な敵がいなくなったおかげで、ハリウッド映画は敵探しに苦労していくということになるわけです。

にほんブログ村 映画ブログへ

|

« 「アンストッパブル」 手に汗握ります | トップページ | 「バーレスク」 ポジティブ・シンキング »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/186553/50540173

この記事へのトラックバック一覧です: 「レッド・オクトーバーを追え!」 見えない敵との駆け引き:

» 『レッド・オクトーバーを追え!』(1990) [【徒然なるままに・・・】]
近年の自分の趣味・趣向に多大なる影響を与えた、言うなれば今の自分を形成する転換点になった三本の作品の内の二本目。この作品が切っ掛けで、ポリティカル・サスペンス、ポリティカル・フィクションの味を知ることになる(一本目は先日紹介した『推定無罪』で、これでリーガル・サスペンスの虜になった)。 最初に映画館で見たときは何が何だかわからなかったというのが正直なところだが、原作を読み、何度か見直すうちに深く入れ込むようになる。 サイト内感想は「しねま宝島」へ。 映画ならではの改変、省略も多々あるものの... [続きを読む]

受信: 2011年1月10日 (月) 08時13分

» レッド・オクトーバーを追え! [こんな映画見ました〜]
『レッド・オクトーバーを追え!』---THE HUNT FOR RED OCTOBER---1990年(アメリカ)監督:ジョン・マクティアナン出演:ショーン・コネリー 、アレック・ボールドウィン、スコット・グレン、サム・ニール 大西洋に突然出現したソ連の最新原子力潜水艦...... [続きを読む]

受信: 2014年4月 6日 (日) 11時34分

» 映画 レッド・オクトーバーを追え! [VAIOちゃんのよもやまブログ]
この手の作品が結構好きながら今まで一度も通しで見る機会がなかった「映画 レッド・オクトーバーを追え!」。Blu-rayがレンタルできるようになっていたので鑑賞してみました。あらす ... [続きを読む]

受信: 2015年11月16日 (月) 05時20分

» 映画 パトリオット・ゲーム [VAIOちゃんのよもやまブログ]
ここで紹介したように「レッドオクトーバーを追え」を見たこともあり、引き続きトム・クランシーの小説の映画化である「パトリオット・ゲーム」もBlu-rayをレンタルして鑑賞しました ... [続きを読む]

受信: 2015年12月 9日 (水) 06時27分

« 「アンストッパブル」 手に汗握ります | トップページ | 「バーレスク」 ポジティブ・シンキング »