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2011年1月20日 (木)

本 「瀕死のライオン」

この小説に登場する自衛隊に組織された特殊作戦群はアメリカのグリーン・ベレーやデルタ・フォースを手本にした日本唯一の特殊部隊です。
特殊作戦群は特殊部隊ゆえにわからないことは多いですが、そのメンバーは自衛隊の中でもエリートと言われる第一空挺団の中でもさらに能力がすぐれた者にしか属することができないと言われています。
本作は隣国北朝鮮が核兵器を日本に持ち込み、それで日本ならびにアメリカを牽制しつつ、南に進行するという作戦に対し、日本の内閣調査室、そして特殊作戦群が密かにその作戦を防ごうとする見えない攻防について描いています。
作者の麻生幾さんはこの手の特殊部隊や諜報作戦を題材にしている作品を多く出されいる方で、その情報の濃さたるやいつも感心させられます。
特に後半、特殊作戦群のチームが北朝鮮に隠密裏に侵入して以降の作戦の展開はハラハラさせられるものがあります。
このあたりの諜報作戦の描写はこの作者ならではの真骨頂というところでしょう。
ただ麻生さんは今までの作品を読んでいても思ったのですが、それほど人間描写やドラマというものはあまり得意ではないような気がします。
ですので、ドラマの余韻とかそういったものはあまりなく、どちらかというとプツリと物語が終わってしまうような印象があります。
「宣戦布告」とかもそんな感じがありました。
小説としてドラマ部分にはやや不満あるとはいえ、こういう諜報戦や特殊部隊についてリアルに描写できる書き手というのはあまりいないので、そういう分野が好きな方にはたまらないかもしれません。

本作出版されたのは2006年ですが、その後北朝鮮が核兵器を保有するという事実が出てきたり、最近の砲撃事件とかのニュースを聞いたりすると、本作で描かれているフィクションが現実味を帯びてきたりしているのではないかと感じたりもします。

「瀕死のライオン<上>」麻生幾著 幻冬舎 ハードカバー ISBN4-344-01204-6
「瀕死のライオン<下>」麻生幾著 幻冬舎 ハードカバー ISBN4-344-01205-4

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