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2010年12月29日 (水)

「トレマーズ」 あっけらかんとしたモンスター映画

世にB級のモンスター映画は数あれど、個人的には抜きん出ておもしろいと思っているのが、こちら「トレマーズ」。
何回観たかわからないくらい観てます。
お金の掛け方はB級かもしれませんが、そのストーリーは下手な大作でも及びません。

アメリカ西部の、人口十数人の田舎町パーフェクション。
そこでなんでも屋をバルとアールが主人公。
この二人、もと海兵隊とか、もとレンジャーなんて設定はありません。
ほんとにただの西部の田舎者。
パーフェクションではあるときから、異常な死に方をした人々が見つかりますが、その原因はわかりません。
バルとアールは田舎町の暮らしに嫌気がさして町を出て行こうとしたときに、その原因である怪物=グラボイズを目撃します。
その怪物は地中を高速で移動し、音や振動で獲物を探知し襲うという見たことがないような怪物です。
二人は住民と協力し、町を出て行こうとしますが、次から次へと危機に見舞われます・・・。

基本的に構造としてはよくあるモンスター映画の定番となっています。
周囲から孤立した場所で、正体不明のモンスターに襲われるというもの。
基本的に主人公たちは、次々と仲間を失いながらもモンスターの正体を次第に明らかにしつつ、そこから脱出しようとするというのが定番ですよね。
本作は、この次から次へと危機に見舞われる展開がスピーディで、一度乗ったら降りられないまさにジェットコースタームービーとなっています。
またその危機や、それを乗り越えるためのアイデアの伏線が、事前にさりげなく張ってあるんですよね。
そのあたりの脚本の出来映えが非常にしっかりとしています。
脚本は割り切りもよく、モンスター=グラボイズの正体がなんであるのか、まったく謎解きをしません。
「古代生物?宇宙生物?軍の生物兵器?なんてことを襲われている普通の人々が考えるかっーの」って天晴な割り切りをしています。
そういう謎解きに時間をとられることないので、さきほどのスピーディな展開がなされるわけですね。
またモンスターと生き残りの戦いを交えるのは、冒頭に書いたように普通の人々なんですよね。
元軍人とか、天才科学者とか出てこない(銃オタクはでてきますが)。
普通の人々が知恵と度胸と行動力だけで、モンスターと戦うっていうところに爽快感があります。
またこちらの作品の舞台が、太陽が燦々と輝く砂漠の町だからか、モンスター映画特有の暗ーい感じとは無縁です。
例えば「エイリアン」などは暗闇の中からいつ怪物が飛び出してくるかわからないというところに恐怖があります。
モンスター映画というのは閉所感みたいなところにも恐怖があるんですよね。
けれども本作は真っ昼間のお話なので、モンスターが出てきてもそのような閉所感というのはあまりないのです。
切羽詰まった状況ではあるのですが、ある種の楽天的な開放感があります。
なんというかあっけらかんとしているんですよね。
この空気感はこの作品特有で、この雰囲気が他の数多のB級モンスター映画と差別化しているのかもしれません。
このあっけらかんさがあるから何度も観たくなるのかもしれません。
「エイリアン」など閉所感がある作品は観るのにもエネルギーがいりますからね。
こういう年末年始のだらっとしたときには「トレマーズ」は最適です。

本作、気に入っている方は僕だけではないようで、カルト的な人気があります。
ですのでさりげなくシリーズ化されていたりもします。
けれどもシリーズものの定めか、シリーズが進むにつれどんどんパワーダウンしていきます。
本作を観て気に入った方は、他のシリーズ作を「観ない」ことをお勧めします。

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