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2010年11月 7日 (日)

「ランボー」 戦争の遺産

「エクスペンタブルズ」を観て、久しぶりに80年代のマッチョ・アクションを観たくなりました。
ここはスタローンに敬意を表して、「ランボー」をセレクトしました。
単純にマッチョ・アクションを、と思ったのですが、久しぶりに観てみると「ランボー」の一作めは実はしっかりとしたテーマがあるなと改めて思いました。
「ランボー」シリーズは「怒りの脱出」とか「怒りのアフガン」のイメージが強くって、ランボーがドカドカ銃を乱射して、敵をなぎ倒していく印象が強いですが、本作ではランボーは誰も殺していないんですよね。
一人保安官が死んでいますが、あれはヘリから落ちた事故ということですし。
ランボーはベトナム戦争でグリーンベレーの精鋭としてゲリラ戦を戦ってきた歴戦の勇士。
けれどもベトナム戦争が泥沼化して末に終結し、本国アメリカに戻ってきたものの彼らベトナム帰還兵に向けられるのは白い眼でした。
彼らは国のために文字通り命をかけて戦ってきたにも関わらず、厭戦気分が高まってきたアメリカ国内では鼻つまみ者となってしまったのです。
「ランボー」シリーズに登場する主要キャラクターの一人が、トラウトマン大佐。
彼はランボーのことを「私が造った」と言います。
トラウトマン大佐が訓練し、ゲリラ戦のスペシャリストとして育てたと。
戦争というものが行われると、その終結後さまざまな問題が起こります。
その中でも大きな問題の一つが、戦争のために作られた武器の処理の問題です。
中国では今でも第二次世界大戦中に旧日本軍が作った毒ガスの処理が続いています。
内戦があったエリアでは地雷の問題があります。
日本でさえ、ときどき不発弾が見つかったりもします。
まだ戦争の遺産である武器は処理できるからまだいい。
けれどもランボーのように、戦争のために教育された人間は、戦争が終わったらどうすればいいのか。
武器のように処理をして終わりというわけにはいきません。
トラウトマン大佐が自ら言うように、ランボーら兵士はまさにゲリラ用の兵器として造られたのです。
戦争のために酷使され、使い捨てられ、そしてそれでも生き残った者はどのように生きていけばいいのか。
結局、ランボーはその後のシリーズの展開を観ている限り、戦争を厭いながらも自分の存在は戦場でしか見いだせなかったということなのかもしれません。
「ハート・ロッカー」はイラク戦争を題材にしていますが課題としてあげていることの本質はけっこう似通っていて、実は「ランボー」のテーマの後継者なのかもしれませんね。
「ランボー」はアクション映画でありながらも、帰還兵問題という社会的な課題にフォーカスを当てている作品だと思います。

「ランボー 怒りの脱出」の記事はこちら→
シリーズ最終作「ランボー 最後の戦場」の記事はこちら→

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» 『ランボー』(1982) [【徒然なるままに・・・】]
デヴィッド・マレルの小説『一人だけの軍隊』の映画化作品で、『ロッキー』と並ぶシルベスター・スタローンの代表作。原作では死んでしまう主人公を生かしておいたのが功を奏してかシリーズ化され、更にベトナム帰還兵が大暴れするワンマン・アーミー物を大量発生させる切っ掛けともなった罪深い(?)作品。 このシリーズ、実は2作目の『ランボー/怒りの脱出』を先に観ている。 本来はシリーズ物は順番に観る主義なのだが、予告編に惹かれどうしても観たくなり映画館へ。今みたいにレンタルビデオ店で手軽に前作が観られない時代... [続きを読む]

受信: 2010年11月 7日 (日) 22時36分

» ランボー [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
 コチラの「ランボー」は、「ロッキー」と並ぶシルヴェスター・スタローンの代表作で、大ヒットしたアクション映画です。  そして、今年復活した「ロッキー・ザ・ファイナル」に続き、来年夏にはこの「ランボー」の最新作となる「ランボー 最後の戦場」が公開されるんです...... [続きを読む]

受信: 2010年11月 8日 (月) 23時20分

» 「ランボー」 [It's a wonderful cinema]
 1982年/アメリカ  監督/テッド・コッチェフ  出演/シルベスター・スタローン      リチャード・クレンナ      ブライアン・デネヒー  最新作も公開になったし、おさらいの意味も込めて見ました。すごい昔に観たから、ほとんど忘れてるし。  ベトナム帰りのジョン・ランボーは戦友を訪ねるが、友人は枯葉剤の影響でガンになり、亡くなっていた。帰り、ふと立ち寄った町で、彼は保安官に不審者として逮捕されてしまう。不当な扱いを受けたランボーは脱走し、近くの山に逃げ込むが・・・という... [続きを読む]

受信: 2010年11月 8日 (月) 23時22分

» ランボー [しーの映画たわごと]
4作目の新作を借りたもんだから、ランボーシリーズ全制覇行きますよ!ランボーは小・中学時代に流行りましたから、もちろん1〜3は再鑑賞です。なぜかポスターが印象に残ってます。うちにもあったような気がしますわ。きっと作品はいい具合に忘れているはずなのでちょうど...... [続きを読む]

受信: 2010年11月11日 (木) 09時20分

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