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2010年11月 6日 (土)

本 「崇徳伝説殺人事件」

内田康夫さんの浅見光彦シリーズの一作です。
2時間ドラマなどにもなっている人気シリーズで、旅情ミステリーというジャンルになりましょうか。
ですので、本格ミステリーほどの読み応えがあるわけではないのですが、その分どんな方でも読みやすいのではないかと思います。
読み応えがないとは言いながらも、さすが内田さんはベテランだけあって、読者を引っ張り込んでいく術というのは心得ているもので、飽きることなくすらすらと読めていける心地よさがあります。
地方の故事と、現代性のある事件をうまく関連づけてストーリーを進めていくのは、この方ならではの職人芸といった感じもあります。
崇徳伝説というのは、讃岐に流された崇徳天皇に関わる伝説です。
悲運のまま流刑にあった崇徳天皇は、その地で天皇家を呪いながら死んでいったということであり、その後京の都で起こる変事や怪事などは崇徳天皇の祟りだと言われたようです。
天皇家はかなりこの崇徳天皇の祟りというのを近年まで信じていたようで、その魂を鎮めるために明治時代に入ってからも京都に神社を作ったということです(こちらは本作での事件の舞台にもなります)。
こういう伝説と関連するような事件のエピソードを、いつも内田さんは基本的にプロットを作らずに、書き始めるということですから、最終的にきちんとお話が収まるのはいつもスゴいなと思います。
がっつり読むぞ!というようなときよりも、電車に乗っている時とか、時間がちょっと空いたときに読むと言ったシチュエーションに合っているシリーズかもしれません。

「崇徳伝説殺人事件」内田康夫著 角川書店 文庫 ISBN4-04-160761-2

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