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2010年11月 4日 (木)

「牙狼<GARO> ~RED REQUIEM~」 耽美なアクション

2005年にテレビ東京の深夜枠で放映されていた特撮番組「牙狼<GARO>」が3Dとなって新作劇場版として公開されました。
たぶん多くの人は、このテレビシリーズは観たことがないでしょう。
「牙狼<GARO>」は特撮界の鬼才雨宮慶太総監督のこだわり抜いたビジュアル表現、深夜枠でなければオンエアできなかったのでは思うほどのハードでダークなストーリー、横山誠アクション監督のアメリカ仕込みのキレのあるワイヤーワークなど、これが毎週のテレビで観れちゃうの?というくらいのクオリティで度肝を抜かれました。
日本でもこのくらいのことはできてしまうのだという驚きがありました。
その後スペシャル版のドラマがありながらも、しばらく間が空きましたが、満を持しての劇場版となりました。
それも3Dでの公開です。
さすが、テレビシリーズで今までにない映像表現にこだわってきた作品だけに、ただの劇場版ではないチャレンジをしてきました。
映像表現としては、やはり高いクオリティを持っていました。
雨宮監督の独特のダークな世界観は健在でしたし、横山アクション監督のアクションシーンもやはり見ごたえありました。
この二人が作り出すビジュアル表現は、ダークでありながらも美しく、また激しくありながらも美しい。
うまく言えませんが、非常に高密度なビジュアルを詰め込んだカオス状態でありながらも、なにか様式美的な秩序だった美しさもあるといった印象を受けます。
「耽美なアクション」とも言えますでしょうか。
そこに魅かれます。
本作でゲストで登場するキャラクター烈花を演じる松山メアリさんのアクションなどはまさに「耽美なアクション」といった感じでしょうね。
彼女は新体操をやっていたということですので、その体の柔軟性を活かしたアクロバティックなアクションシーンを見せてくれます。

ストーリーとしての構造は「牙狼<GARO>」としては、完成されたパターンを踏襲していて新味といったところはありませんでした。
黄金騎士「牙狼」の称号を持った魔戒騎士、主人公の冴島鋼牙が、人を喰らう魔獣ホラーと戦うというストーリーです。
テレビシリーズでは、黄金騎士としての覚悟を持って戦っていた鋼牙ですが、まだ迷いというものがありました。
それはホラーを倒さなくてはいけないという魔戒騎士としての使命と、ホラーに命を狙われた女性カオルとの愛の間にゆれ動く鋼牙の姿にありました。
けれども本作では鋼牙、同じく魔戒騎士である父、そして先人の騎士たちの遺志を継ぎ、大きく成長をした黄金騎士として現れます。
その姿には風格すら感じました。
揺るぎなく迷いのない姿です。
鋼牙は、ホラーへの復讐に燃える烈花を諭すように「所詮それがお前の実力だ」言いますが、それはかつて彼が先人たちから言われたこと。
この数年で彼は若いものたちを導く存在へ成長していたのです。
数年後、もしこのシリーズが作られることがあるならば、彼が彼の弟子を持ち、自分の後を継ぐ黄金騎士を育てる姿を見てみたいです。

スペシャルドラマ「「牙狼<GARO> 白夜の魔獣」の記事はこちら→

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コメント

KLYさん、こんにちは!

テレビの設定では、現実世界では確か黄金騎士になる時間は制限があったように記憶しています。
ですので、いつもGAROにはなれなかったと思います。
あと横山アクション監督は出演者によるアクションにこだわりがあって、主演の小西さんなどもかなりアクションをご自身でこなしています。
最後の戦いは鏡の世界の中なので、GAROになれる時間は無制限になったのだと思います。
テレビシリーズのときは、毎週かなりハイレベルの映像を見せてくれたのでかなり驚きました。

投稿: はらやん(管理人) | 2010年11月 6日 (土) 10時00分

テレビシリーズの存在など知らなかったのですが、バルト9の再三にわたる予告編に
惹かれて観て来ました。予告編て効果あるんですねぇ。(笑)
しっかし特撮ヒーローものもここまで進化しましたか。凄い映像です。
個人的にこういう退魔系の設定が大好きなんですよ。惜しむらくは黄金騎士の戦い
が2回しか観られなかったことかなぁ。

投稿: KLY | 2010年11月 4日 (木) 23時43分

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