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2010年11月20日 (土)

「新幹線大爆破」 150分間止まらない

観たかったんです、こちら!
先日注文したApple TVが届いたので、どんな作品があるかなと物色していたら、本作を発見。
古い作品でもありますし、マニアックに評価されているので、普通のレンタルショップとかではなかなか見かけなかったのです。
すごいぞ、Apple TV!
ヤン・デ・ポン監督の「スピード」は大好きな作品なのですが、そちらの元ネタとも言われる作品です。
元ネタと言われる所以は、新幹線ひかり109号にしかけられらた爆弾が速度が80キロを越えたところでスイッチが入り、スピードが再び80キロを割ると爆発するという設定です。
まさに「スピード」のまま。
というより「スピード」の方が全然後なので、「スピード」が「新幹線大爆破」のまま、ですね。
似たような描写もありました。
「スピード」では爆弾がしかけられたバスにトレーラーを並走させて板を渡し、乗客を移らせるというシーンがありました。
本作「新幹線大爆破」では爆弾がしかけられた下りの新幹線に、上りの線路を新幹線を並走させ、爆弾解除のために必要な道具を受け渡すという場面があります。
ちなみに109号の運転士が千葉真一さんで、並走する救援車の運転士は千葉治郎さん(「仮面ライダー」の滝和也を演じた方)で、お二人はご兄弟。
特撮好き・アクション好きとしては、微笑んでしまうキャスティングでした(ちらっと志穂美悦子さんもでてた)。
このあたりはほとんどそのまんまでしたね。
「スピード」との相違点と言えば、さまざまな登場人物についてのドラマがしっかりと描かれていたところでしょうか。
「スピード」の場合はわかりやすく、サイコな犯人と、それに立ち向かうヒーロー、ヒロインという構図でした。
けれども「新幹線大爆破」は新幹線の乗員・乗客、国鉄の司令室の職員、犯人を追う刑事、そして犯人にドラマがありました。
乗客を救うことを第一義とする国鉄職員と、犯人を挙げることを優先する警察の対立。
危機にさらされている新幹線の運転士と、運転司令室長とのやり取り。
犯人グループが犯行に及んだ経緯。
犯人たちについては、最近のわかりやすい映画のような安易なテロリストとしてではなく、高度経済成長期に取り越されてしまった人々の憤りが描かれていました。
その憤りが、当時の繁栄の象徴であり、最先端の科学技術のシンボルでもある新幹線にぶつけられるということであり、社会派的な側面をもつ物語となっています。
また危機に直面している新幹線と、距離が離れた司令室がなんとか爆弾を解除しようと、打ち手を探っていく様は「アポロ13」のような緊迫感を感じました。
このように本作はいろいろな側面で語れる内容になっていると思います。
尺は150分を越える長さでしたが、少しも長いと思わせないで最後まで見せてくれるテンションを持っている作品だと思います。
まさに150分間止まらない勢いを持った作品でした。

もう35年も前の作品なので、端役などでけっこう現在では大御所の俳優さんがでているのも見所です。
それと本作は題材が新幹線の爆破なので、当時の国鉄はいっさい協力しなかったということです。
ですので、新幹線が走っている場面はゲリラ撮影か、ミニチュア撮影によるものです。
ミニチュア撮影の部分は今観ても、かなり出来がよく、一見しただけだとミニチュアだとわからないようなところもあります。
このあたりは日本の特撮の真骨頂というところでしょう。

Apple TVの使用感は非常に使いやすい。
部屋にいながら、レンタルショップで作品を選べる感覚になりますね。
付属のリモコンはApple製品共通の仕様のようで、操作すると同じ部屋にあるMacもいっしょに反応してしまうのでちょっと驚きましたが(Macのほうでリモコン設定を無効にすれば大丈夫です)。
探すのが大変な旧作も家で気軽にレンタルできるようになったのは嬉しいところです。

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受信: 2014年12月15日 (月) 22時50分

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