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2010年11月27日 (土)

本 「ストーリーとしての競争戦略 -優れた戦略の条件-」

成功した企業やビジネスモデルがあると、○○式経営だとか、○○式戦略とかいうタイトルの本がわんさか出てきます。
個人的にはそういう成功事例をあくまで事例として見るのはよいけれども、そのまんま同じことをやったとて成功するわけがないと思っています。
なぜならばある事例が成功したのは特定の環境、条件があったからであって、それが万事に効く成功パターンにはなりえないと思うからです。
けれども事例からはなにかしらのエッセンスは学べるわけです。
本著はそのあたりのエッセンスを「ストーリー」としています。
正確に言えば「話したくなるほど魅力的なストーリー」ですね。
ここでいうストーリーとは、さまざまなアクションが一つのストーリーとして論理的に繋がりあっている一貫性があること。
そしてそのストーリーには、一見して不合理な点があることを著者はあげています。
まさに一貫した流れであるというのは「起承転結」がしっかりしているということであり、一見して不合理な点があるといういことは「転」を指しています。
企業が大きくなればなるほど、業務は細分化され(いわゆる縦割り)となり、それぞれの部門が部門最適化を行うことにより、全体的にはなにか奇妙な整合性のなさがでてくるということは多々あります。
僕がいる会社もまさにそういう態なのですが、たまたま今は出向しているため外から見ていると強く感じます。
今僕が働いている会社は規模的に手頃な大きさで社員全員にひとつの意志を貫こうとした場合、非常にうまく動けていると思います。
うちはカリスマ経営者というわけではありませんが、規模がちょうどいいため関係各部署の実務責任者がそれこそ顔を突き合わせて今後の方針を煮詰めていくことができます。
そのためいったん会社として目的・意志を決めてしまえば、それが各部門の活動にかなりダイレクトに反映されます。
走りながら考える的なところもありますが、小さな失敗をしながらも目指すべき目標に向かって早めに軌道修正しながらできているかなと。
このあたりの組織内に積み上がっていく経験値みたいなものが、いわゆるスキームなどと違っておいそれとマネができないものとなっていくのでしょう。
このあたりを著者はストーリーと言っているような気がします。
我々の活動(業界の浮沈に関わるような事件を乗り越えた)、親会社も注目して参考にしたいと言ってきたりもしますが、なかなか部分的な活動を話してもそれがほんとうに理解されたかどうかはちょっとわかりません。
僕たちがやったのは、やはり業界内では無謀と言われたことでした(すみません、内容については触れられません)。
競合他社もかなり冷ややかに見ていたと思います。
けれどもそれにより、過去最大益を昨年は出すことができました(多少環境的にラッキーだったところもありますが)。
その理由は競合他社もわかるはずですが、やりたくてもできないと思います。
それをやるためには販売から、開発から、コミュニケーションに至るまで一貫した考えに基づき活動しなくてはいけないからです。
他社はほんとに目先の利益だけにとらわれ、動けません。
それが本著で書いている一見して不合理なキラーパスであると思います。
僕たちがやっている活動は道半ばなのでまだまだ成功とまでは言えないレベルなのですが、迷いはありません。
ストーリーとして正しいと思っているのと、逆にその道しか自分たちは選べないということもあります。
結局ストーリーとしての戦略というのは、己自身を知って、その上で何をゴールとしてイメージが具体的にできるかということだということなのでしょう。
単純なスキームを持ってくればいいというものではありません。
自分ならではのストーリーを描けるかどうかというのが、真の戦略なのでしょう。

「ストーリーとしての競争戦略 -優れた戦略の条件-」楠木健著 東洋経済新報社 ハードカバー ISBN978-4-492-53270-6

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