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2010年8月 8日 (日)

本 「つきのふね」

原恵一さん監督で映画化される「カラフル」を書かれた森絵都さんの作品です。
彼女は十代を主人公にしている作品が多いですが、ジュブナイル小説という範疇では語れません。
大人が読んでも、いや大人が読むからこそ、心にぐっとくるものがあります。

みなさんは自分で自分が怖くなることはありませんか。
一人になるのは怖くありませんか。
なによりも、自分が人を裏切るのが怖かったりしませんか。
こう書くと何かものものしい感じがしますが、僕が言っているのはほんの小さな裏切り(約束破りと言ってもいい)です。
遊びに行くと言って行かなかったこと。
いっしょにいつかあそこに行こうねと言いながら、結局行かなかったこと。
こんな小さな約束破り。
こういうことをしたときって、大したことないさと思う反面、なにか心がチクチクするようなものがあって。
何故チクチクするかって、それは逆に自分がそうされたら、傷ついてしまうかもしれないって気持ちがあるからだと思います。
自分が一人にされるっていうことが怖いからだと思います。
中学生の頃はそういう傷つけ、傷つけられることに対してとても敏感になるときなのかもしれません。
だから人とべったりするようになるか、逆に人と距離を置きたくなってしまう。
こういう人の心の深くにある感情を、森絵都さんはこの作品で実は深く深く掘り下げているように感じます。
十代から大人になるに従い、そういう心のチクチク感に対して不感になってしまう人もでてくる。
大人になるってそういうものって思う人もいるかもしれない。
でもチクチクに不感になったとき、信用できない人が出来上がってしまうのかもしれません。
そういう人は自分はうまくやっていると思うのかもしれませんが、実は一番怖いひとりぼっちになっている、ということもあるように思います。
もし、この作品を読みながら何か心がチクチクする人はまだ大丈夫。
そんな気がします。

間違いなく、本作は森絵都さんの代表作と言っていいように思いました。

森絵都さん作品「カラフル」の記事はこちら→

「つきのふね」森絵都著 角川書店 文庫 ISBN4-04-379102-X

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   ☆本プロからの移行☆ ずっと読みたかった森絵都さん。 なかなかタイミングが合わずでしたが、やっと手に取ることになりました。 主人公が「さくら」という名前でこんなところでも縁を感じてしまいます。 児童書?なんでしょうか? 中学生のさくらの友達との間の... [続きを読む]

受信: 2010年8月 9日 (月) 11時09分

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