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2010年5月29日 (土)

本 「警官倶楽部」

全く知らない作家さんでしたが、タイトルと帯のコピーに魅かれて買ってしまいました。
ジャンル的にはクライム・コメディと言ったところでしょうが、タイトルに「警官」とありますけれども、こちらの作品は警察小説ではありません。
ほんとの警察並みのスキルを持った登場人物がでてきますが、彼らは警察官ではありません。
警察が好きで好きで、趣味が高じて警察官のコスプレをし、警察のようなスキルを持つに至ったいわば「警察マニア」。
まさに「好きこそものの上手なれ」。
一言で警察マニアと言っても彼らの中で興味が細分化されているのがおもしろい。
鑑識マニア、盗聴マニア、尾行マニア、パトカーマニア・・・。
スナイパーみたいなのもいます(もちろん本物の銃は使いませんが)。
警察マニアたちの一人が危ない筋の借金を背負ってしまい、それを仲間たちが助けようとするお話。
でも彼らにもお金はない。
ということでこれまた怪しい宗教団体のお金を奪うことにしたわけです。
警察マニアたち、危ない筋の方々、怪しい宗教団体、そして誘拐団といった面々がお金を奪い合うスピーディな展開になります。
後半になればなるほど畳み掛けるような展開になるので、さらさらと読みすすめられます。
コスプレといってもアニメの格好をするのと違い、警察官のユニフォームや身分証を作るのは犯罪にあたっちゃうのですが、そのあたりもおおっぴらに活動しにくいところがある種の制約を生んでいておもしろかったです。
この作品は映画になってもおもしろいような気がしますねー。

「警官倶楽部」大倉祟裕著 祥伝社 文庫 ISBN978-4-396-33560-1

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コメント

こんにちは、はらやんさん。

この「警官倶楽部」のメンメンは、単なるコスプレマニアではなく、尾行、鑑識、盗聴、格闘など各分野のエキスパートなんですね。

この設定は面白いと思うのですが、それを活かしているかと言うと、そうは思えませんでした。
登場人物が多過ぎるんでしょうか、誰が誰だか判らなくなってしまいました。

でもこの様なマニアって、結構いるんでしょうね。
だったら、警察官でも自衛官にでもなればいいのにと思ってしまいます。

何か終わり方も中途半端で、続きがあるんでしょうか。
また小額の身代金を要求する事によって、警察の介入を防ごうという話を何かで読んだなと思ったのですが、貫井徳郎さんの「誘拐症候群」でした。

投稿: オーウェン | 2024年1月10日 (水) 16時02分

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