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2010年4月15日 (木)

「HEROES シーズン3」 求心力をとりもどした

もともとシーズン1でしっくりと終わっていたのに、強引にシリーズを延命させたためか、全体的にややおぼつかない印象が残るシーズン2だった「HEROES」。
物語がどんどんインフレーションを起こしていく状態(僕はこれを「(少年)ジャンプ化」)と呼びますが)を是としてシーズン3は展開します。
個人的にはジャンプ化という展開はあまり好きではないのですが、シリーズ2の迷いを越え、ある種「いくところまでいってしまえ」といったような割り切りをシーズン3には感じました。
「LOST」のように長いシーズンを通じて細かい伏線や整合性をとるということを諦め、やや強引な辻褄合わせも用いながら(ピーターが能力を失うこととか、ケンセイの退場とか)も物語の展開を加速させていくという方向に舵をきったのかもしれません。
シーズン3が思いのほかおもしろかったのは、シーズン1での敵役であったサイラーを復活させ、主役級の扱いにしたことでしょう。
サイラーは物事の仕組みを解析する力を持つ能力者。
その能力により他人の能力を奪っていくことができる殺人鬼として描かれました。
シーズン3は彼の人の力を奪うという能力故、そして己の過去を知らないという事実によるアイデンティティの喪失、発見の物語となっています。
この世界においてのヒールをほぼ主役として扱うことはかなりのチャレンジであったと思いますが、それにより物語の求心力ができたと思います。
何人もの超能力者が登場し、各所でさまざまな出来事が並行して進行し、それが最後は収束するというのが「HEROES」のシーズン1の見事な構成であったと思います。
シーズン2ではそれが散漫となり、物語としては中心を失った状態になっていました。
本シリーズではその中心に「HEROES」の中でも最も個性の強いサイラーを置くことにより、求心力を再び得ることに成功したと思います。
サイラーの求心力を高めるために、同じように他者の能力を得ることができるピーター、時空を操れるヒロはその能力を大きく制限されます。
これは物語としては仕方がないところだったと思いますが、やや強引であり辻褄合わせ的なところは感じました。
その他にもマヤはどこに行ったのかとか、マットはあっさりダフニーのこと忘れちゃうしとか。
しかし物語全体としては力を持つことになったのでよしとしましょう。
シーズン3の終わり方はけっこう意外かつ衝撃的なものとなりました。
続くシーズン4もサイラーが中心となって動いていくのでしょうか。

「HEROES シーズン1」の記事はこちら→
「HEROES シーズン2」の記事はこちら→

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