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2010年2月13日 (土)

本 「マンダラの謎を解く -三次元からのアプローチ-」

日本人がマンダラと言われて思い浮かべるのは、中心に大日如来がいてその周りにぎっしりと仏たちが密集して描かれている図であると思います。
少し詳しい方はマンダラと言われるものにも、金剛界マンダラと、胎蔵界マンダラの2種があるということをご存知でしょう。
そもそもマンダラは中国から仏教と共に伝わり、その中国へはインドから伝播していったものです。
仏教を開いた仏陀自身は偶像崇拝やシンボルの崇拝は否定していたのですが、その死後仏教以前にインドにあったバラモン教を吸収しつつ、崇拝の対象を置くようになったと言われています。
日本人である僕たちはマンダラと言うと、冒頭に言った平面図しか思い浮かべられません。
けれども本著では、その期限は図ではなく、立体的な造形物であったという仮説を提示しています。
この仮説は非常におもしろい。
そもそもマンダラというのは平面図の中になにか空間的なものを表現しようとしている意図を感じます。
それがもともとからしてマンダラは三次元空間であり、それを平面に置き換えるようになったとすれば、納得性が高まります。
筆者がその仮説を説明するにあたり、仏教の発祥の地インドから、中央アジア、中国、日本と、その土地・時代で作られた建築物を通じて解き明かしていきます。
マンダラは宇宙を表していると言います。
本著はインドや中国の石窟寺院からスタートします。
石窟という多い包まれる空間は、確かにマンダラに相通じるものがあるように感じます。
建築物に込められた考えや思想が、伝播するに従い、その土地の文化を吸収し、変容して行く様は、ダイナミズムを感じます。
その東の端の終着点である日本において、仏教建築の思想が変容していく様子もなかなかに興味深いと思いました。

とても着眼点のいいアプローチで、興味ある方は一読されることをお薦めします。

「マンダラの謎を解く -三次元からのアプローチ-」武澤秀一著 講談社 新書 ISBN978-4-06-287994-1

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コメント

晴天なりさん、こんにちは!

僕もこちらの本を読んで、なるほどなあと感心しました。
言われてしまえば納得なんですけど、なかなかこういう発想はできませんよね。
実際寺院などに行くことができない人も多いわけで、そのためにいつでもそういう世界を体験できるマンダラが必要になってきたのかもしれないですね。

投稿: はらやん(管理人) | 2010年10月 2日 (土) 05時20分

こんにちは。

武澤さんの『マンダラの謎を解く』という本、わたしもとても興味深く読みました。発想がユニークですよね。
それもかかわらず、いわれてみれば至極当然のことなのではないでしょうか。

絵を書くときだって、3次元の風景や人物を平面に置き換えているわけですし…。2次元からはじまると思う方が異様ですよね。

はらやんさんのブログについつられての投稿でした。
おじゃまさまでした。

投稿: 晴天なり | 2010年9月30日 (木) 22時57分

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