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2010年1月 7日 (木)

「仮面ライダー対ショッカー」 すべての始まり

現在公開中の「仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010」で完結編を迎えた「仮面ライダーディケイド」は平成仮面ライダーのみならず、昭和仮面ライダーまで巻き込んだ壮大なるメタフィクションとなっていました。
完結編では、歴代の敵組織の怪人たちが登場していていますが、その中でさりげなく登場していた懐かしの怪人がひとり。
その名はザンジオー。
ザンジオーは、仮面ライダーシリーズの第一作「仮面ライダー」の記念すべき初めての劇場作品に登場した劇場版オリジナルの改造人間なのです。
このあたり、「ディケイド」のメタフィクション的なこだわりがうかがえます。
子供の頃の僕はご多分に漏れずライダーカードを集めていてその中の写真でザンジオーは知っていましたが、それが物語の中で動いている姿は観たことがありませんでした。
なぜならその頃はDVD、というより家庭用ビデオデッキですら存在しない時代であったので、劇場に行かなければその作品を観ることができなかったのです。
本作は(ある年齢以上の方はご存知のはずの)「東映まんがまつり」の中の一作品として公開されたため、再映はほとんどありえまんでした。
テレビシリーズについては再放送、再々放送などがあり、ほとんど観たことがあるのですが、劇場版はビデオが普及するまでは観たことがありませんでした。
そういう意味では、子供の頃の僕にとってザンジオーは「幻の怪人」であったのです。
そのザンジオーが登場する作品のタイトルが「仮面ライダー対ショッカー」でありました。
昨年夏に公開された「ディケイド」の「劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」というのは、そのタイトルからわかるように「仮面ライダー」シリーズ初めての劇場版へのオマージュであったわけです。

「オールライダー対大ショッカー」はタイトルだけでなく、内容でも本作へのオマージュが散見されます。
劇場版第一作の「仮面ライダー対ショッカー」では初めて「仮面ライダー」シリーズがダブルライダーとして二人が揃いぶみの姿がみられました。
これは当時の子供たちにとっては大興奮の出来事であったに違いありません。
そもそも仮面ライダー1号、2号という設定はもともと想定されていたものではありません。
有名な話ですが、仮面ライダー1号本郷猛を演じていた藤岡弘さんが、撮影中に重傷を負い、シリーズを続けることが不可能になるというアクシデントが起こりました。
そこで苦肉の策として、物語の中では1号は海外のショッカーを倒しに海を渡り、代わりに仮面ライダー2号一文字隼人が登場するということになったのです。
アクシデントに端を発するこの設定ですが、本作、そしてテレビシリーズの桜島編でのダブルライダー共演により、作品世界を広げるという可能性を見いだしたのです。
1号、2号という設定は、その後の「V3」へ繋がり、連綿と繋がる「仮面ライダー」の系譜のすべての始まりとなるのです。
ライダー共演はその後の「V3」「X」とシリーズが展開される中で継承されていき、ときおりイベント編として「ライダー揃いぶみ」が行われることになります。
平成仮面ライダーになり、それぞれの世界観が独立しているが故にこのような「揃いぶみ」が観られることはないかと思いましたが、「ディケイド」の荒技とも言うべきアクロバティックな手法により、「ライダー揃いぶみ」を実現することができたのです。
これは確かに「仮面ライダー」シリーズ劇場版第一作の「仮面ライダー対ショッカー」のダブルライダー登場のときに感じた胸の興奮を再現したことになっていたと思います。
「仮面ライダーディケイド」という作品は平成仮面ライダーの総括ということのみならず、昭和仮面ライダーまでを含めた「仮面ライダー」シリーズのいったんの総括となっているのです。

ちょっと脱線しますが、特撮ヒーローの総括という点では「ウルトラマンメビウス」がやはり「ウルトラマン」シリーズの総括を行っていますが、この作品は物語を収斂させてしまっているがゆえに、その後のシリーズの存続を困難なものにしています。
たぶんそのために「メビウス」以降は新しいウルトラマンを生み出すことはできず、いったんの休止期間に入ってしまったと考えられます。
「ウルトラマン」については円谷に新しい血が入り、苦肉の策として「大怪獣バトル」とのクロスオーバーというこれもまたアクロバティックな技により、シリーズを続けるエネルギーを得ようとしています。

その点、「ディケイド」は総括をしつつも、収斂はさせていないため、まだその「仮面ライダー」の物語世界は拡大する余地を含みつつ終了しました。
現在放映中の「仮面ライダーW」は想像上の都市、風都を舞台とし、よりその世界を広げつつあります。
新たに発展するエネルギーを得た「仮面ライダー」シリーズはさらにさらに物語世界を拡張し、発展していくことでしょう。

「劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー対大ショッカー」の記事はこちら→
「仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010」の記事はこちら→

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» 『仮面ライダー/仮面ライダー対ショッカー』(1972) [【徒然なるままに・・・】]
大道寺博士が開発した人工重力装置を狙うショッカーと、それを阻止せんとする二人の仮面ライダーの攻防を描いた『仮面ライダー』シリーズの劇場用新作映画の一本目。のみならず、現役TVヒーロー番組の拡大劇場版公開の先駆ともなった歴史的な作品でもある。 公開は爆発的人気となった<2号ライダー篇>のクライマックスとぶつかり、1号ライダーをゲストに迎えての「ダブルライダー」を前面に押し出し、大挙して出現する再生怪人軍団、映画でしか見られない新怪人の登場、スケールの大きなショッカーの計画といった目玉を多数用意し... [続きを読む]

受信: 2012年12月11日 (火) 19時39分

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