「よなよなペンギン」 りんたろう監督らしい映像と音
好きなアニメーション監督の一人、りんたろうさんが久しぶりに監督するということで観に行ってきました。
りんたろうさんと言えば、「銀河鉄道999」や「幻魔大戦」という作品があがるかと思いますが、僕は「カムイの剣」という作品が好き。
こちらについてはいずれこちらのブログでご紹介したいと思います。
さて本作「よなよなペンギン」についてです。
こちらの作品は日仏合作で14億円もの製作費で作られた3DCGアニメです。
本作は亡き父親が言ったペンギンも空を飛ぶことができると信じているココが、ひょんなことからゴブリンの国を訪れ、そしてその世界を救うというおとぎ話です。
それほど新味のあるストーリーではありません。
どちらかというとどこの国にもあるおとぎ話です。
世界観も和洋折衷のような感じであり、日本でもフランスでも子供たちに受け入れられることを狙っているのかもしれません。
ややそういう意味では個性が強くない作品に思えました。
3DCGアニメは、アメリカでも日本でも何本もの作品が作られている中で、映像技術的には本作が群を抜いてすばらしいわけでもありません。
テクニカルな部分ではピクサー作品の方が数段上という印象を受けました。
僕はりんたろう監督の優れた点というのは、光と音の使い方だと思っています。
セルアニメの時、透過光というテクニックがありました。
これはセルを撮影するときに光を透過させて、べた塗りの部分とは異なる光を表現する手法です。
この使い方が非常に上手い監督でした。
例えば「銀河鉄道999」の999の機関車上部のライトの表現とか、「幻魔大戦」でのベガの登場シーンとか爆発シーンの部分とか。
基本的にデジタルアニメではセル撮影がないため透過光というテクニックは使えませんが、やはりりんたろう監督は光の使い方についてはこだわっていたと思います。
あと音については、監督は音楽や音のサウンド系と映像のシンクロについてはこだわりを持っていると思います。
「カムイの剣」での竜童組の音楽と映像のシンクロは一見一聴の価値ありです。
本作もほとんどのシーンは背景音楽があり、映像だけでなく音で物語を語っているということがわかります。
ストーリー上も音は重要なファクターとなっていましたね。
作品としてはちょっともの足りない印象を持ちましたが、やはりりんたろう監督の作品であるなと、らしさを感じたりもしました。
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