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2010年1月20日 (水)

本 「わかりやすく<伝える>技術」

本著の著者はNHKで長年「週刊こどもニュース」のお父さん役を務めていた池上彰さんです。
ご存知の方も多いとは思いますが、「週刊こどもニュース」というのは、その週に起こった出来事を子供たちにもわかるようにわかりやすく解説してくれるという番組です。
でも子供向けだとあなどることなかれ。
この番組は大人が見てもかなり勉強になる番組なのです。
新聞やテレビのニュースなので、さりげなく報道されている言葉。
当たり前のように出ているため常識となっているように思われますが、「それって何なの?説明してよ」と言われると実は「えーとね」と口ごもってしまったりすることってあると思うのですよ。
「通常国会」「臨時国会」「特別国会」って説明できます?
これを「週刊こどもニュース」はとてもわかりやすく説明してくれるのですよね。
その番組で長年お父さん役を務めていた池上さんは、もともとは記者でそれからキャスターになり、そしてこの番組を担当するということになったと言います。
もともと記者ですから、知識は十二分に持っている方ですが、ニュースキャスター、そして「こどもニュース」を担当することになり、人に「伝える技術」というのを考えるようになったということです。

最近はどんな職種でもプレゼンテーションということが求められます。
営業だと得意先に商品のプレゼンテーションもあるでしょうし、理系の方だと学会での発表などもあるかと思います。
僕の会社でアンケートをとったところ、営業で最も求められるのはプレゼンテーション力の向上だということでした(僕は個人的にはそんなことより得意先にもっと顔を出した方がいいとは思いますが)。
僕はデザイン・広告を業務としているのでプレゼンはもういつものことで、若い頃から試行錯誤して自分なりのスタイルを作ってきました。
また逆に売り込み等で様々な会社の方のプレゼンを聞くこともあります。
いいプレゼンもあれば、まったくダメなプレゼンもあります。
本著で池上さんが書かれている「わかりやすく<伝える>技術」というのは僕の経験からしてもまったくその通りと思われることが書かれています。
例えば「図解をする」ということ。
僕はプレゼン資料を作るとき、概念の整理をよく図にします。
これはぱっと見でわかるということで非常に優れています。
そして何よりも図解をする作業を行っているうちに、自分の頭の中も論旨が整理できるんです。
最近よく聞く「マインドマップ」という作業もこれに近いと思います。
またリハーサルをするということも、その通りだと思います。
書類上はうまくまとまっているように見えるものも、実際プレゼンテーションをするとうまくいかないことがあります。
それは実は書類上の見かけでうまくまとまっているように見えるだけで、実はストーリーがしっかりと出来ていないケースがあるのです。
それをチェックするにはプレゼンを実際に口に出してやってみるということが大事です。
口に出してみると、言いにくいとか話しがひっかかる箇所があることに気づきます。
それは実はプレゼンテーションのストーリーに齟齬があるということなのです。
またくどい部分や足りない部分も気づいたりもします。

そのような池上さんが実際のキャスター、「こどもニュース」のお父さん役の中で培ってきた「伝える技術」が本著にはいろいろと紹介されています。
プレゼンテーションスキルがもっと欲しいという方は一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

「わかりやすく<伝える>技術」池上彰著 講談社 新書 ISBN978-4-06-288003-9

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