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2010年1月 9日 (土)

本 「零の発見 -数学の生い立ち-」

岩波新書のロングセラーの本書「零の発見 -数学の生い立ち-」を読んでみました。
初版は1936年ということですから、80年以上も読み継がれていることになります。
僕が書店で購入したのは、第102刷(!)というものでした。
新書というのは、書かれた当時から周辺環境の変化や社会や科学の進歩などにより、たちまち内容が古くなってしまいがちですが、これだけ長い間読まれているということはその内容が本質をついているからこそでしょう。
タイトルの「零の発見」にある「零」とは、これは文字通り数字の「0」のことです。
僕たちが当たり前に使っているこの「0」という概念は、インドで名もなき人々により作られました。
それまではギリシャにおいてもエジプトにおいても数学はありましたが、「0」の概念はなかったのです。
わかりやすいのは、漢字で大きな数を書いてみましょう。
「四億五千二百三万千七百五十一」。
これをアラビア数字で書くと「452,031,751」となります。
数字で書くと10万の桁に「0」がありますが、漢字にはありません。
これは古代ギリシャ、エジプトにおいても同様でした。
ここで「0」の表記により、何が起こるかというと、計算のしやすさが違います。
想像してみてください。
「四億五千二百三万千七百五十一」足す「三億五百四十九万二千七百七十」は?
すごく計算しづらいことがわかるでしょう。
これをアラビア数字で書くと

  452,031,751
+ 305,492,770
------------------------
  757,524,521

と断然計算しやすくなるわけです。
これがかけ算や割り算だったら、どれだけたいへんかは想像に難くないでしょう。
なぜアラビア数字は計算が楽であるかというと位取りがあっているからです。
位取りを合わせるためには「0」の概念が必要でありました。
何を当たり前のことをと考える方もいるかと思いますが、これは画期的な発見でした。
アラビア数字は「計算数字」、それ以前の数字表記は「記録数字」ということができます。
人類は「計算数字」を手に入れたことにより、より複雑な計算をすることができ、それが科学の発展の礎になっていくのです。
本著はこのような「零の発見」の話以外にも、数学にまつわる様々なエピソードが掲載されています。
数学の本ではありますが、それほど難しい内容ではないので、興味がある方は手にとってみてもよろしいのではないでしょうか。

「零の発見 -数学の生い立ち-」吉田洋一著 岩波書店 新書 ISBN4-00-400013-0

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