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2009年12月26日 (土)

「アサルトガールズ」 日本実写映画の限界と制約

押井守監督で今まで短編で制作されていた「ASSAULTGIRL」、「ASSULTGIRL2」に引き続く世界観を持つ「アサルトガールズ」を観てきました。
押井守監督のアニメーションの作品は好きなのですが、どうも実写になるとどうも相性がよくないのです。
本作冒頭にも押井守監督らしい設定の講釈があるのですが、アニメーションではあまり気にならないのに、どうにも鬱陶しい(字幕がほとんど見えなくてよくわからないというのもありました)。
また押井監督作品には独特の間があるのですが、これも実写だとちょっと間延びしている感じを受けてしまいます。
アニメーションだと背景にまで描き込みがされているから画面の密度・情報量があり、間が持つのかもしれません。
押井監督の実写作品は予算が限られている中で撮られているものが多いので、どうにも画面から受ける空疎な感じが際立ってしまうのです。
雑誌に載っていた押井監督のインタビューを読むと、今までのようなあまり観念的な難しいことは考えず美しい女性を撮りたかったということが書いてありました。
確かに登場する三人は美しく、また強いので、その意図は伝わってきました。
とはいえ十分に美女が活躍するアクション映画として振り切っているかというと、実はアクション場面はそれほど長いわけでもなく、フラストレーションを感じてしまいます。
また人物の掘り下げはほぼなくドラマがやや薄い。
アクションのフラストレーション、ドラマ部分の引きの弱さといったところから、それほど実際はそれほど長い尺ではないのにも関わらず、とても長い印象がありました。
これは前日観た「アバター」が3時間近くの尺にも関わらず、長いと思うことはなかったのと好対照です。
人間が異なる世界(本作の場合はアヴァロンというバーチャル世界)で別人となって戦うというのは、「アバター」と通じるものがあるのですが、スケール感(そしてかける費用)としては圧倒的に引き離されているところは気の毒な感じがします。
どうも日本での実写映画という枠組みは押井守監督のイマジネーションを表現するには、大きな制約となっているような気がします。
なかなか邦画の実写で莫大な費用をかけるというわけにはいかないと思うので、やはり押井監督のフィールドはアニメーションであるのが現実的であるかもしれません。
押井守監督は才能がある方なので、願わくば「アバター」級の製作費と技術を与えてあげれば、世界を唸らせる作品ができるのではないかなと思ったりもします。

「ASSULTGIRL2」も短編の一つとして入っているオムニバス作品「斬 〜KILL〜」の記事はこちら→

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