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2009年12月12日 (土)

本 「武士道エイティーン」

「武士道シックスティーン」「武士道セブンティーン」に続く、第三作です。
自分たちそれぞれの道を歩み始めた香織と早苗、彼女たちの高校3年を描いたのが、本作になります。
それぞれ東松学園、福岡南の代表として全国大会で再び相見えるという場面をクライマックスに持ってくるかと思いきや、これは中盤くらいにはその場面を迎えてしまいます。
あら、拍子抜けというところもなくはないのですが、よく考えてみると、前2作で二人はおのおのの進むべき道というのを見つけ出しているんですよね。
だからまた本作で葛藤したり、対立したりというのはないわけで。
逆に二人が距離を離れていても、お互いに強く結びついているというのがしっかりと伝わってきます。
本作はどちらかというと今までの二作の脇に登場していた魅力的な登場人物の、その背景についても多くを割いて描いています。
イメージでいうと「図書館戦争」シリーズの2作目「図書館内乱」に近いかもしれません(わかる人にしかわからないか)。
そこでフォーカスがあたるのは・・・。
すなわち早苗の姉、緑子。
香織の師匠である桐谷玄明。
早苗の所属する剣道部の顧問吉野先生。
香織と早苗の後輩である田原美緒。
彼ら彼女らのパートは、それぞれの主観視点で語られているので、今までわからなかった登場人物の背景や気持ちがよくわかるようになっています。

美緒のエピソードで紹介される「守破離」という考え方は、とてもよくわかりました。
自分自身の体験を顧みてもその通りだなと。
「守」というのは、まずは教えられたやり方というのを徹底的に守る、身につける。
「破」は、その教えをあえて破って、はずれたやり方をしてみる。
これは基本があってこそできることなんですね。
そして「離」はそのようにはずれたところを経験した上で自分なりのオリジナルの方法論を生み出すということなのだそうです。
まさしく僕は今、この段階。
ずっと所属していた会社から出向して、自分としては新しい会社(でも業務内容は同じ)で、日々悪戦苦闘しています。
でもその中から、今までとは違った自分なりの方法論を生み出しているのです。
そういう目で元いた部署をみると、いろいろと改革せねばならない点が見えてくるのです。
まさに「破」「離」して見えることなのだと思います。
「守破離」は剣道の教えですが、これは生き方にも通じることだなと思いました。

「武士道シックスティーン」の記事はこちら→
「武士道セブンティーン」の記事はこちら→

「武士道エイティーン」誉田哲也著 文藝春秋 ハードカバー ISBN978-4-16-328320-3

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受信: 2010年1月 3日 (日) 22時02分

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