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2009年12月30日 (水)

本 「刑事 雪平夏見 殺してもいい命」

「アンフェア」としてドラマ化・映画化された「推理小説」の主人公雪平夏見刑事の人気シリーズの久しぶりの続編です。
小説はテレビ・映画とは違う展開なのですが、読んでいても雪平のイメージは篠原涼子さんになってしまいますねえ。
このシリーズはいつも事件そのものが意外性がありますが、本作もまさにその通りとなっています。

年末のある夜、多摩川河川敷で男性の遺体が発見された。
男性は胸を一刺しされており、その口には「殺人ビジネス始めます」と書かれたチラシが詰め込まれていた・・・。
そして殺された男性は、雪平の元夫であった。

本シリーズで起こる事件の意外性、センセーショナル性というのは、人間の命に対する軽さ、無感覚さみたいなものが根底にあるような気がします。
犯行を行う者たちは、ある種の無感覚さを持っており、それが生命を生命として尊重しない事件となるわけです。
その無感覚さ、人間としての情のなさというのは、捜査する側での雪平自身にも窺えます。
それが犯人の雪平へのシンパシーとなり、それが事件を進展させてしまうということになります。
この無感覚さは小説の中だけでなく、現実でも時折起こされる事件にも見えてくる感じがします。
そういう意味でこのシリーズは現在というものを描いている作品であると思います。

冒頭、犯人を暗示する件がありますが、さすがのこれはフェイクであろうと思いましたが、なかなか凝った作りになっています。
著者の狙いにまんまとはまりました。
ま、ミステリーというのは著者のトリックにヤラレタと思うのも楽しいんですけれど。

事件は解決しますが、雪平はどうなった?
美央ちゃんはどうなった?
謎は残っているので、このシリーズは続いていくのでしょう。
早く新作出して。

シリーズ一作目「推理小説」の記事はこちら→
シリーズ二作目「アンフェアな月」の記事はこちら→

「刑事 雪平夏見 殺してもいい命」秦建日子著 河出書房 ハードカバー ISBN978-4-309-01943-7

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