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2009年11月 7日 (土)

本 「デセプション・ポイント」

「天使と悪魔」、「ダ・ヴィンチ・コード」のダン・ブラウンの3作目の作品です。
あげた2作品とは異なり、ラングドンシリーズではありません。
とは言いながらも、ダン・ブラウン色というのが、やはり全面的に出ている作品となっています。
ダン・ブラウンらしさとは何かというと、まず上げられるのが作品の背景にある情報量の多さだと思います。
このあたりはテクノスリラーの先駆者マイクル・クライトンにも通じるところがありますが、彼がややもすると情報過多になりすぎストーリーが停滞しやすいのに比べ、スピード感がある展開があります。
ラングドンシリーズでは宗教、記号学等がその背景にある情報でしたが、地質学や地球外生物学などの最新の科学に関する情報が多くなっています。
またダン・ブラウンの特徴の一つはそのストーリーてリングでしょう。
ラングドンシリーズもそうですが、物語が進むにつれ、指数関数的に展開のスピード感がアップしていき、読者を離さない「ヒキ」があります。
この「ヒキ」はダン・ブラウンならではで、本作も後半のドンデン返しに継ぐドンデン返しは読み応えがあります。
逆を返せば、前半はかなりノロノロと進むので、読みたくなくなるようなところもあります(文庫の上巻くらいまで)。
ただ下巻に入ると展開はスピーディになっていくので、読むのが止まらなくなります。
ですので、読む方はなんとか上巻は我慢して読むのがよいでしょう。
物語の構造としてはダン・ブラウンの作品はある種の「型」があるように思います。
その分、読みやすくもあるでしょう。

ラングドンシリーズは3作目を執筆中と、ずいぶん前に聞いた気がしますが、まだ発刊されないのですかねー。

ダン・ブラウン著「天使と悪魔」の記事はこちら→

「デセプション・ポイント<上>」ダン・ブラウン著 角川書店 文庫 ISBN4-04-295508-8
「デセプション・ポイント<下>」ダン・ブラウン著 角川書店 文庫 ISBN4-04-295509-6

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