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2009年10月12日 (月)

本 「武士道セブンティーン」

誉田哲也さんの「武士道シックスティーン」の続編です。
「武士道シックスティーン」の記事を書いたときに、続編が出たようだから今度読んでみようと書きながら、ずっとほったらかしにしてました。
いつの間にやらさらに続編の「武士道エイティーン」まで出ているようで・・・。

前作がどちらかというと香織が早苗に出会い、今までの自分の剣道に対する考え方を見つめ直すというお話でしたが、続編であるこちらの作品は早苗が香織と別れることにより、自分の剣道を見つめ直すというストーリーになっています。
早苗は転校した先の学校で、香織のスタイルとも自分自身の考え方とも違う剣道に出会います。
それはスポーツ競技化された剣道。
試合で点をとって勝つという目標に究極にチューンされた剣道であり、それに早苗は違和感を感じます。
早苗はどちらかというと柔らかであり、機を見るということに長けた才能を持っています。
その機を見つけ、一本をとるのが早苗の剣道。
そこには美学というか、単に点数をとるということとは違う心の修練という側面を持っていました。
ここは早苗も香織もいっしょなのです。
だからこそスタイルこそ違えども、心には通じるものがあり、彼女たちは友人になれたのです。
本作では「武士と武者は違う」という話がでてきます。
武者は戦いを生業とする者。
武士は戦いを収める者。
戦いのための戦いをするのが武者で、戦いを終わらせるのが武士。
なるほど、と思いました。
戦うということは、子供のケンカから国同士の戦争まで、たぶんなくなることはないでしょう。
けれど戦いと勝利が目的化した場合、その先には未来はないかもしれません。
戦いを通過点としながらも、その先には未来を見る。
これが武士道なのかもしれません。

でもそんなことより、香織と早苗に再び会えたことのほうが嬉しい。
彼女たちの真っすぐな気持ち、そして友情を感じられるとすがすがしい気持ちになります。

「武士道シックスティーン」の記事の時に「映画に向いているのでは」と書いたのですが、ほんとに映画になりますね。
「悪夢のエレベーター」といい、見る目あるぞ自分(自画自賛)。
主演は成海瑠子さんと北乃きいさん。
瑠子ちゃんが香織で、きいちゃんが早苗ということ。
キャスティングを聞いたときは、逆の配役かと思ったのですが(きいちゃんは「ラブファイト」のイメージがあったから)、これはこれでありかもです。
二人とも演技上手ですから。
来春公開ということですので、期待したいと思います。

前作「武士道シックスティーン」の記事はこちら→
続編「武士道エイティーン」の記事はこちら→

「武士道セブンティーン」誉田哲也著 文藝春秋 ハードカバー ISBN978-4-16-327190-3

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