「悪夢のエレベーター」 映画を先に観るか、小説を先に読むか?
木下半太さんの原作は大好き!
先日、この作品の後日談となる「奈落のエレベーター」も読みました。
小説の記事を書いた時、下記のようなことを書いていました。
>映画にしてもおもしろいかもしれません。
見る目あるじゃん、自分。
で、監督がまたまた自分が好きな「やさぐれぱんだ」の堀部圭亮さん。
これは期待してしまいます。
しかーし、本作は逆転また逆転というそのトリックと突発事項にあたふたするキャラクターにこそおもしろさがあるわけで、それを先に知っているとどうもいまいち驚きが少ないのです(当たり前なのですが)。
さらに「奈落のエレベーター」まで読んじゃっているわけで、その後のキャラクターの行く末も知ってしまっているし。
純粋に楽しむことはできなかったです〜。
本作は原作を読まずに、最初に映画を観ることをお進めします。
小説が好きな方は映画を観ずにまず小説から。
一発ネタのようなところもあるので、小説と映画のどちらかしか楽しめないんですよね。
僕はどちらかとういうと小説の方がおもしろいと思います。
ミステリー小説のトリックの中で、叙述トリックというのがあります。
本作でも三郎はミステリーのファンということで、アガサ・クリスティーの名がでていますが、彼女も叙述トリックの名作を残した人の一人です。
叙述トリックというのは文章中の記述の仕方にこそ、トリックが仕掛けられているという手法。
興味がある方は先述のアガサ・クリスティーの「アクロイド殺し」をお読みください。
驚愕すること請け合いです。
叙述トリックというのは文章である小説だからこそできるトリックとも言えます。
この手法を使う小説はだいたいが文章は一人称で書かれていることが多いんですよね。
本作「悪夢のエレベーター」もそういう部類に入るかもしれません。
もしくは「薮の中」か。
ですので、小説ならではの仕掛けというのがいくつかあるので、やはり文章の方がおもしろいかもしれないです。
映像化されてしまうと見えなくていいものまで見えてしまいますからね。
なかなか難しいところです。
この日は「クヒオ大佐」も観ていたので、図らずも内野聖陽さんデーとなっていました。
原作小説「悪夢のエレベーター」の記事はこちら→
| 固定リンク
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「悪夢のエレベーター」 映画を先に観るか、小説を先に読むか?:
» 『悪夢のエレベーター』(2009)/日本 [NiceOne!!]
監督:堀部圭亮原作:木下半太出演:内野聖陽、佐津川愛美、モト冬樹、斎藤工、大堀こういち、芦名星、本上まなみ公式サイトはこちら。<Story>小川順(斎藤工)は、鋭い頭の痛みで目を覚ますと、そこは急停止したエレベーターの中だった。一緒に乗り合わせたのは、...... [続きを読む]
受信: 2009年10月16日 (金) 21時49分
» 悪夢のエレベーター [象のロケット]
深夜、エレベータが急停止し、男女4人が閉じ込められた。 非常ボタンは故障、携帯電話は不通。 妻がもうすぐ出産する小川、チンピラ風の男・安井、マンションの住人・牧原、ゴスロリ少女・カオル。 何やら全員ワケあり風。 お互いが抱える事情の探り合いが始まるが、だからってエレベーターは開かない! そして予想外の事件が起こってしまった…! ブラック・コメディ。... [続きを読む]
受信: 2009年10月18日 (日) 19時48分
» わけあり4人の最悪な夜。~「悪夢のエレベーター」~ [ペパーミントの魔術師]
ある依頼があってある人物をハメようと 芝居を打った人間がいた、 ところが物語はそれだけじゃ終わらなくて この話には主人公も知らない続きがあって 4人以外の人間にもその悪夢は派生していく。 例えば↑の人はホント災難としか言えない。 それからこの子。 ひとは見か..... [続きを読む]
受信: 2009年10月20日 (火) 02時30分
» 悪夢のエレベーター [LOVE Cinemas 調布]
タレント堀部圭亮の長編映画監督デビュー作。脚本も当人が務める。木下半太の同名小説をベースに映画化したミステリーコメディだ。主演は『252 生存者あり』の内野聖陽。共演に『鈍獣』の佐津川愛美、『いけちゃんとぼく』のモト冬樹、『ロボゲイシャ』の斎藤工が出演。この4人がエレベーターに閉じ込められ脱出を目指すも、予想だにしない文字通り悪夢が彼らを襲うのだった…。... [続きを読む]
受信: 2009年10月20日 (火) 20時12分
» 悪夢のエレベーター [ケントのたそがれ劇場]
★★★★ 見知らぬ男女四人が、突然深夜のマンションのエレベーターに閉じ込められてしまう。悔しいことに、非常ボタンは故障し、唯一の携帯は電池切れで、外部との連絡が全くとれない。さらに不運なことに、エレべーターが2台あり、住民たちは他の1台に乗るため故障に気... [続きを読む]
受信: 2009年10月20日 (火) 23時22分
» 【悪夢のエレベーター】 [日々のつぶやき]
監督:堀部圭亮
出演:内野聖陽、モト冬樹、佐津川愛美、斎藤工、芦名星、本上まなみ
このウソ、ホントにキリがない。
「小川順が目を覚ましたらそこは、あるマンションのエレベーターの中。何かのトラブルで止まってしまったらしい。他にいるは前科のあ... [続きを読む]
受信: 2009年10月21日 (水) 17時08分
» 悪夢のエレベーター [☆彡映画鑑賞日記☆彡]
『怒涛のどんでん返しがあなたを翻弄する! 究極の人間不信エンタテインメント!!』
コチラの「悪夢のエレベーター」は、劇団ニコルソンズを主宰し脚本・演出も手掛け、俳優としても「パッチギ!」に出演したりとマルチな活躍をしている小説家の木下半太が2006年に出版...... [続きを読む]
受信: 2009年10月24日 (土) 23時43分
» 『悪夢のエレベーター』 [ラムの大通り]
「う〜ん、困った」
----あらら、頭抱えてどうしたニャか?
これって、エレベーターに閉じ込められた人たちの密室劇だよね。
「うん。
エレベーター停止、非常ボタン故障、おまけに携帯電話不通。
乗り合わせているのは、妻の立会に急ぐ男・小川順(斎藤工)、
刑務所帰りの男・安井三郎(内野聖陽)、
他人の心が読める超能力者・牧原静夫(モト冬樹)、
それに自殺願望を持つゴスロリ少女・愛敬カオル(佐津川愛美)。
登場人物はほかに小川の妻・麻奈美(本上まなみ)に、
小川の愛人・須藤陽子(芦名星)、
そしてマンショ... [続きを読む]
受信: 2009年10月25日 (日) 10時08分
» 悪夢のエレベーター [日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~]
木下半太の小説「悪夢シリーズ」3部作の第1弾「悪夢のエレベーター」を映画化した作品。原作は未読です。
小川順は、頭に鋭い痛みを感じて目を覚ますと、急停止したエレベーターの中でした。一緒に乗り合わせたのは、刑務所帰りの空き巣常習犯、人に触れることでその人の過去を... [続きを読む]
受信: 2009年10月25日 (日) 23時33分
» 悪夢のエレベーター [映画通信シネマッシモ☆映画ライター渡まち子公式HP]
密室型のサスペンス・コメディには驚きの仕掛けが満載で、謎解きの醍醐味が味わえる。マンションのエレベーターが急停止し、男女4人が中に閉じ込められる。偶然乗り合わせた彼らは、空き巣専門の刑務所帰りの男、他人の過去が読める中年の超能力者、自殺願望のゴスロリ少女....... [続きを読む]
受信: 2009年10月25日 (日) 23時46分
» 悪夢のエレベーター [だらだら無気力ブログ]
木下半太の同名小説を、これが長編映画監督デビュー作となるお笑いタレント の堀部圭亮が映画化。 エレベーター内に閉じ込められた4人のワケあり男女が繰り広げる人間模様を 描く。小川順が意識を取り戻すと、そこはエレベーターの中だった。小川の他には、 関西弁のヤク..... [続きを読む]
受信: 2009年10月28日 (水) 02時09分
» 悪夢のエレベーター [花ごよみ]
原作は木下半太の同名小説。
監督は堀部圭亮。
主演は内野聖陽、共演は佐津川愛美、
斎藤工、モト冬樹…。
エレベーター内に閉じ込められた、
男3人女1人の物語。
エレベーター=密室という、
特殊な状況設定。
原作は読んでいます。
映像化すればどのようになったのか、
期待をして見に行きました
「笑い」もちょっぴり。
グロさもありました。
本はかなり面白く読みました。
映画は本とは違った意味で、
それなりに面白かったです。
既読なので展開はすでに読めています。
映画は出演者の演技の妙を... [続きを読む]
受信: 2009年10月28日 (水) 09時43分
» サスペンス・コメディ☆映画 『悪夢のエレベーター』☆ [honu☆のつぶやき 〜映画に恋して〜]
マンションのエレベーターの中に閉じ込めらる4人のキャラが立っていて、興味をソソラレタ作品。
期待した通り、この4人それぞれがいろいろ曰くがあって面白い♪
今、連ドラ『JIN〜仁〜』で豪快な坂本龍馬を好演してる内田聖陽が、本作でも熱演
これまでは“静”の役を...... [続きを読む]
受信: 2009年10月31日 (土) 09時18分
» 『悪夢のエレベーター』 [唐揚げ大好き!]
このウソ、ホントにキリがない。
■エレベーターに閉じ込められてしまった何だかワケあり気な男女4人。助けを呼ぶ手段のない非常事態。なぜかお互いの秘密を暴露しあっていくハメに……。不信感を募らせる中、ついに事件が起きてしまう。そして、扉の外では更なる... [続きを読む]
受信: 2009年11月 2日 (月) 04時33分
» 悪夢のエレベーター/内野聖陽、佐津川愛美 [カノンな日々]
予告編を観て何気に楽しみにしてたんですよね。密室のエレベーター内を舞台に繰り広げられるシチュエーション系サスペンス・コメディ。俳優や構成作家としても活躍する堀部圭亮さんの初監督作品です。
出演はその他に、モト冬樹、斎藤工、大堀こういち、芦名星、本上まな....... [続きを読む]
受信: 2009年11月 3日 (火) 10時58分
» 09-288「悪夢のエレベーター」(日本) [CINECHANの映画感想]
そして誰もいなくなった
産気づいた妻からの連絡で自宅に急いでいた小川順は、エレベーターの急停止の際に気を失ってしまう。順が意識を取り戻した時、エレベーター内には他に、関西弁のヤクザ風男・安井、ジャージ姿の中年男・牧原、ゴスロリファッションの少女・カオルの3人が一緒に閉じ込められていた。
非常ボタンも反応せず、唯一の携帯電話も電池切れで、完全に外部との連絡の手段を絶たれてしまった4人だったが。(「allcinema」より)... [続きを読む]
受信: 2009年11月 5日 (木) 13時13分
» 悪夢のエレベーター(映画館) [ひるめし。]
どうせ嘘つくんだったら、完璧に、ね。 [続きを読む]
受信: 2009年11月16日 (月) 22時18分
» 悪夢のエレベーター [迷宮映画館]
うーーん!こう来たかあ・・・・。 [続きを読む]
受信: 2009年12月20日 (日) 08時54分
» 「悪夢のエレベーター」 [It's a wonderful cinema]
2009年/日本
監督/堀部 圭亮
出演/内野 聖陽
佐津川 愛美
モト 冬樹
斉藤 工
後味悪い映画だな~という印象。まあ、予想を覆す展開ではあるんだけど。
エレベーターに閉じ込められた4人。刑務所帰りの男で空き巣のプロ、ジョギングに行こうとしていた超能力者、愛人宅から妻の出産立会いに向かう男、自殺願望のゴスロリ少女。外との連絡が取れない中、それぞれの事情が明らかになっていく・・・というストーリー。
(以下ネタバレあり)
... [続きを読む]
受信: 2010年1月 3日 (日) 21時27分
» 『悪夢のエレベーター』 (2009) [よーじっくのここちいい空間]
騙される快感を求めて観に行きました。やっぱり、しっかり騙されてしまいました。登場キャラクターが個性的です。まっ、うさんくさい人たちばかりなので、そこらへんを落ち着いて考 [続きを読む]
受信: 2010年2月16日 (火) 07時10分
» 悪夢のエレベーター(感想177作目) [別館ヒガシ日記]
悪夢のエレベーターはケーブルで鑑賞だが
結論は完全に騙されたが後1歩何か足りないね
内容は停止したに閉じ込められた男女4人の
密室での互い話などから悪夢の展開だよ... [続きを読む]
受信: 2010年12月12日 (日) 12時33分
» 悪夢のエレベーター (2009) [極私的映画論+α]
監督は「K2」の相方でした(笑) [続きを読む]
受信: 2011年6月 6日 (月) 19時13分
» 「悪夢のエレベーター」、このプロットを読みきれるか? [カサキケイの映画大好き!]
堀部圭亮の初監督作品。
歯切れが良くて、一度な〜んだこんなものかと油断させて、
実は次なるプロットが用意してあり、
更にもう一押しがあって、最後には騙されたと突き放された。
事前に劇場予告を何度か観たことがあったが、
その時も前半の第一関門のシーンばかりでそこさえ見破ればと思っていたが、
一時間ばかりでそのシーン、つまり悪夢のエレベーターシーンは終わってしまうのだ。
第一の関門はクリア出来た。
そこからはゆったりと種明かしが語られ始め、これだけかと思わせた瞬間、
次なる展開、エ... [続きを読む]
受信: 2011年6月24日 (金) 22時34分
» 悪夢のエレベーター [銀幕大帝α]
09年/日本/105分/ミステリー・コメディ/劇場公開
監督:堀部圭亮
原作:木下半太『悪夢のエレベーター』
脚本:堀部圭亮
特殊メイク:西村喜廣
残酷効果:西村喜廣
特殊造形:西村喜廣
出演:内野聖陽、佐津川愛美、モト冬樹、斎藤工、本上まなみ、長澤つぐみ
...... [続きを読む]
受信: 2011年7月20日 (水) 00時44分
» 悪夢のエレベーター [rambling rose]
産気づいた妻からの連絡を受けエレベーターに乗った小川。だが何かのアクシデントにより一時的に気を失ってしまう。目覚めた時、そこはまだエレベーターの中・・どうやら見知らぬ3人と共に閉じ込められてしまったらしい?... [続きを読む]
受信: 2013年4月 7日 (日) 12時00分
» 悪夢のエレベーター [本と映画、ときどき日常]
監督 堀部圭亮
出演 内野聖陽
佐津川愛美
芦名星
エレベーターに閉じ込められた4人。
前科者、自殺願望のある少女、超能力者、そして不倫男。
こういった作品って脚本がすごい重要だと思うんだけど、そういう面ではちょっと物足りない感じです。
...... [続きを読む]
受信: 2013年8月 1日 (木) 11時34分
コメント
sakuraiさん、こんにちは!
映画を主とみれば、これは原作読まない方が楽しめますよね。
でも原作も相当おもしろいですよ。
小説はそれぞれの主観視点で描かれているので、また映画とは雰囲気違うかもしれません。
機会があればぜひぜひ。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年12月20日 (日) 09時12分
この類の本は、全然知らなかったので、映画を堪能させていただきました。
お得な気分。
でも、一回しか使えない・・という弱点はありますね。
でも、あの狭いシチュエーションの中で、飽きさせずに、うまく見せたと思います。
やるじゃん!
投稿: sakurai | 2009年12月20日 (日) 08時56分
rose_chocolatさん、こんにちは!
こういうミステリーは映画から入るか、原作から入るかで印象は違いますよねー。
キャスティングはそれほど違和感ありませんでした。
もっと映画ならではのオリジナルな感じがあってもよかったかな。
堀部圭亮さんの演出は「やさぐれぱんだ」などの間がけっこう好きだったりしたので、もう少しらしさがあってもよかったかもしれません。
原作に忠実にあろうとしすぎたかな。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年10月17日 (土) 06時59分
Agehaさん、こんにちは!
「悪夢のギャンブルマンション」出てましたねー、まだ買っていないですけど。
そうか、マッキーは生き残りましたからね。
ジェニファーもいい味出しているので、期待できそう。
僕は最近はどちらかというと、映画を観てから、原作を読むというパターンが多いです。
アナザーエンドになるのは、文章と映像という表現の違いによるところが多いかもしれないですね。
本作の原作はまさに叙述トリックのようなところもありますから、これを映像でやるのはかなり難しい。
だから違ったアプローチになってしまうのかもしれません。
最近はその違い、文章表現と映像表現の差というのを楽しむようにしています。
投稿: はらやん(管理人) | 2009年10月17日 (土) 06時13分
原作ものは難しいですね。
自分は全然違う入口からこの作品を見ちゃってるんで、完全に映画からのアプローチなんだけど。
内野さん目当てだったんだけど、やっぱり佐津川愛美ちゃんはいいなーと思いました。
実はクヒオも観たんですが、内野さんはこっちの方がよかったかな。。。
投稿: rose_chocolat | 2009年10月16日 (金) 21時53分
「悪夢のギャンブルマンション」は
マッキーとジェニファーがメインみたいですね。
まだ読んではいないんですがパラパラっと・・・(笑)
なんだか「カイジ」みたい?
今月の新刊で文庫出てます。
今ツンドクが多いんでまだ手が出ませんが。
最近の傾向?かどうかはわかりませんが
この本が映画の原作ですよ~って入ってくるのに
展開が違ったり、アナザーエンドだったりが多いです。
それってどうなんでしょ???
「さまよう刃」しかり、「私の中のあなた」しかり。
「クヒオ大佐」しかり。
バチスタやフィッシュストーリーの中村監督のように
登場人物の性別・年齢・想像していた外見、
ことごとく裏切って自分のカラーで配役してしまうひともいます。
映画は本の一部のデフォルメだったり
役者さんの雰囲気や演技力でもそうきたか~って
思うこともあるので
ミステリー映画は謎解きの楽しみはなくなるかもしれませんが
表現の違いを楽しむ・・・しかないですね。
投稿: Ageha | 2009年10月16日 (金) 01時30分