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2009年10月 4日 (日)

本 「ゴールド・フィッシュ」

森絵都さんのデビュー作「リズム」の続編になるのが、本作です。
主人公さゆきは中学3年生になっていました。
先生も親も、友達もだんだんと受験モードになっていくとき、さゆきは何かその流れに乗り切れないところがありました。
たぶんずっと憧れていた従兄の真ちゃんが言った「自分のリズムを大事にしろよ」という言葉が残っていたのでしょう。
自分のリズムとは何なのか?そういうぼんやりとした疑問がさゆきの心の中にあったのだと思います。
その言葉を真ちゃんも、彼の夢であったバンドが解散してしまい、彼自身もゆくえがわからなくなったということをさゆきは知り、ショックを受けます。
きらきらとした夢。
でも儚く崩れてしまう脆さをもっている夢。
そんな夢もまだ持てていない自分。
夢などをもたず現実的になれという大人たち。
そういう言葉に流され、また逆らい、けれど自分というものがないような気がしていく。
中学生という年頃、自分自身を振り返って夢を持っていたかというとそれほどはっきりとしたものは持っていないような気がします。
絵を書くのが好きだったし、映画を観ることが好きだったし、小さい頃は漫画家とかアニメを作る仕事とかやりたいなと思っていたけれど、中学生になれば自分の実力とかその道の厳しさみたいなものも知ってくるわけです。
キラキラとした夢を追うのか、現実的になるのか。
僕はぼんやりと、モノを作る仕事、何かを伝える仕事をしたいというぼんやりとした目標を持っていました。
今やっている仕事は天職だと思えるほどですが、それも最初っから目指していたわけではありません。
自分も変わるし、世の中も変わる。
最初からすごい夢を持たなくてもいい。
いつかは夢を持てるようになろうという夢でもいいじゃない?

「あたし、テツや真ちゃんみたいに立派な夢はないけど、そういう小さなこと、ひとつひとつやっていきたいの。いちいち楽しみながらね」

これはさゆきが言った言葉です。
中学生だったらこれでいい。
自分の可能性をまだ縛らなくていい、いろんなことをやって段々とやりたいことを感じていく、そういうことが大事なんですよね。

森絵都さん作品「リズム」の記事はこちら→

「ゴールド・フィッシュ」森絵都著 角川書店 文庫 ISBN978-4-04-379107-1

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