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2009年10月12日 (月)

本 「帝国としての中国 -覇権の論理と現実-」

世界経済が低迷している中、いち早く回復の兆しを見せている中国。
相対的にアメリカの影響力が下がっているのに対して、存在感を増しているのが中国です。
中国は今や日本にとってもアメリカと並ぶ貿易相手国となっていますし、安全保障という点からも決して無視できない存在です。
それでは自分たちが中国をどれくらい知っているかというと些か心もとないところがあります。
今、彼らが何を考えているのか、報道などを見ても今ひとつわかりにくいところがあります。
当然のことながら、現在の中国は共産主義であり、報道規制も多いことから、彼らの方針というのが見づらいということもあります。
けれどもそういった現在の事象よりも、彼らのものの考え方というのが、何か西洋人の、または日本人の考え方と何か違うようなことがあるような気がします。
それを本著は、中国という国の成り立ち、そして周辺国との関係性の歴史をひも解くことにより、中国という国家の考え方に迫ろうとしています。
当然、現在の中華人民共和国と、かつての秦、漢、宋、明、清などの統一王朝とは制度も異なります。
しかし秦以来の統一王朝の周辺各国との接し方は驚くほどに変わっていません。
中国という国の伝統的な世界観を、本著ではベトナムと中国、日本と中国、朝鮮と中国、そして北方と中国といういくつかの関係性を対比させ分析していきます。
それらをここで書くと長くなるので省きますが、そこで展開される中国の世界観というのは、現在のそしてこれからの世界の構造を予想するにあたり、考えにいれておかねばならないように感じました。
中国、そして我々も含めたアジアの国というのは、本音と建前という言葉で表されるように、ダブルスタンダードというものを上手に使って関係性を構築してきました。
けれども西洋的価値観が入ってきた現在、そのダブルスタンダード性というのが、欧米諸国からはわかりにくいと思われているのでしょう。
またそのダブルスタンダード性というのは、中国の対アメリカ政策、そして対日本政策にも当てはまります。
中国は巧みにスタンダードを相手によって使い分けてきているのです。
それがいい悪いではなく、そういうこともあるということを念頭に置いておいたほうがいいのでしょう。
対中国政策について、同盟国であるアメリカと歩調を合わせることは大事ですが、ただアメリカ任せにするのではなく、日本としての対応の仕方も考えておく必要があるのでしょう。

学者さんが書かれた本なので、難解な言い回しが多くて読みにくいのが、難点。

「帝国としての中国 -覇権の論理と現実-」中西輝政著 東洋経済新報社 ハードカバー ISBN4-492-21147-0

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